2005年09月05日

順調! 無花果酢の発酵

無花果酢発酵経過無花果酢発酵経過2






先週の木曜日から始めた無花果酢の酢酸発酵(アルコール⇒酢)は、今のところ順調に進んでいます。

左の写真は木曜日に酢酸菌膜を移植したときのもの。
右の写真は本日、月曜日に撮ったもの。菌膜が液面全体に広がっています。このようになればひと安心。あとはじっくりとアルコール分が酢酸に変わるのを待つばかり。

弊社のように液面のみで発酵させる方法を「静置発酵法」といいます。その名の通り、「静かに置いておく」ことで、液面からのみ発酵を行います。そのメリットはアミノ酸や有機酸をたっぷり含む、旨味やコクの強い酢ができること。逆にデメリットはというと、時間と手間、設備費が非常にかかることです。富士酢に関しては、9,000リットルのタンクで仕込みますが、平均で3ヵ月半〜4ヶ月もの時間を要します。(熟成期間を除く)

では、大手メーカーもこのような造り方をしているのでしょうか。
答えはNoです。

その前に…、全国にお酢屋は400社程度あると言われていますが、そのうち醸造設備をもつところは150社程度という話を聞いた事があります。では、他の250社はというと、「桶売り/桶買い」といって大手メーカーが造った酢をトラックで仕入れ、瓶詰をして出荷するという方法をとっているようです。これは日本酒業界ではよく知られていますが…。

大手メーカーの酢の造り方に話を戻すと…。

アセテーターこれが、大手メーカーの醸造設備の一種「アセテーター」です。

密閉タンクにコンプレッサーで空気を強制的に送り込むことによって、24時間程度で6,000リットルものお酢が出来上がる、「速醸法」とか「全面発酵法」と呼ばれる方法です。この設備ひとつで弊社の9,000リットルタンク60本分の製造能力を持っています。

そのメリットは早く出来上がること。また設備費や土地代も少なくて済みます。逆にデメリットはツーンとした酸味のみの、旨味やコクの少ない酢になってしまうことです。前述の「静置発酵法」は蔵に住み着いている数種類の酢酸菌が発酵するのに対して、「速醸法」は酢酸菌1種類を培養します。大学の研究室などの実験に近い造り方と言えるかもしれません。

「静置発酵法」と「速醸法」、なかなか一般のお客様には伝わってこない、お酢屋の裏側でした。皆様の目利きの一助になれば幸いです。

                            五代目見習い 彰浩




Posted by iiokome at 15:28