京都高島屋 味百選に出店している美味い店その2は、美味さだけでなく感謝していただくべきお店。

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≪森野吉野葛本舗の売場≫

このお店は吉野葛の専門店。
なんと創業400年、現在は20代目だそうです。弊社は112年ですので、その4倍もの歴史のあるお店です。

ところで、葛ってどのように作るかご存知ですか?


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≪葛粉の原料となる、葛の木の根っこ≫

どのように作るかは、ホームページから拝借しました。

「葛根を破砕し、寒の地下水のみで何度も不純物を精製(吉野晒し)、自然乾燥させた、添加物を一切含まない自然食品です。」

と簡単に書いてあるのですが、根っこを粉砕後、水にさらすこと10回、約10日間を費やした後、自然乾燥に3ヶ月。本当に大変な仕事だと思います。

さらにこんなことも書いてあります。

「般に市販されている吉野葛は甘庶澱粉(さつまいも)使用のものがほとんどです。
数年前それらと区別するための公正取引委員会からの指導もあり、葛の根からとった澱粉のみを「吉野本葛」と名前を明記する事が許されています。」

いろんな業界で様々な紛い物が出てくるようです。ちなみに片栗粉も葛粉と同様に、元はユリ科のカタクリの地下鱗茎(ちかりんけい)からとれる澱粉だったのですが、今は葛粉よろしく、さつまいものデンプンです。

「片栗粉は片栗粉ではない!」

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≪吉野本葛≫

これをどのように使うのか、料理にもお菓子にも、様々なところで応用できます。



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≪葛湯≫

これはかなり濃度の濃いものです。

作り方は簡単。本葛と砂糖を少量のぬるま湯で溶いた後、今度は熱湯を入れて粘りが出るまで混ぜます。贅沢言えば、和三盆で作るとやさしい甘さで気分がほっこりします。

いにしえの甘味がそのまま、現代に残る数少ないものだと思います。

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≪ごま豆腐≫

本葛、ねり胡麻、塩、日本酒を水で溶いた後、中火にかけます。固まってきたら弱火にし、15分ほどさらに混ぜると粘りが強くなり、なめらかに。これで出来上がり。

醤油とワサビでいただいたのですが、これはデザートとしても応用できそうです。(というか、こんなのは誰でも考え付くだろうから、すでにいろんなお店でやってるでしょう。僕が無知過ぎる?)

例えば、水の代わりに牛乳や豆乳を加え、砂糖または和三盆で甘みをつけるとかなりやさしい味になりそう。ねり胡麻だけでなく、すり胡麻も加えるともっと美味そう。

本葛を使うメリットは「なめらかさ」だと思います。甘藷(さつまいも)のデンプンに比べ、とてもキメが細かいことが、そのなめらかさをつくりだします。

こちらの詳しい仕事っぷりは、マンガ『美味しんぼ』3巻に書いてあります。ぜひ熟読ください。

絶対オススメ!だって簡単にいにしえの食文化を体験できるからー。

森野吉野葛本舗 http://www.morino-kuzu.com/01.html

                            五代目見習い 彰浩