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≪醪造りの工程その3≫

洗米後、十分に水を吸わせた米を蒸していきます。これは、熱を加えることで米のデンプンをα(アルファ)化することが目的です。では、α化とはなんぞや、というと、「米のデンプンを麹菌が糖化しやすい状態にする」ことです。言い換えると、「麹菌の酵素作用を受けやすい米」にしてやること。更に噛み砕いて言うと、人間が生米を食べると消化できないから米を炊いてから食べるのと同じ。

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≪甑(こしき)≫

米を蒸す作業は甑(こしき)と呼ばれる釜を使います。ボイラーの蒸気(1気圧 100℃)を甑に直接送り込み、1時間ほど蒸します。

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≪蒸し上がり≫

『外硬内軟』という酒造用語があります。これは、理想の蒸しあがりを言葉にしたもので読んで字のごとく、外側は硬く内側は柔らかい状態を指します。十分にα化していることはもちろん、弾力があり粘りがないことも重要です。食卓に上がるご飯の炊き方とは全く違います。

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≪蒸し米の取り出し≫

湯気の上がる甑に乗って、スコップで米を冷却機に移します。乾燥重量で645kgの米が蒸しあがると1トンを超えるため、この作業はけっこうな重労働。しかも、底に近い米ほど自重で固まっているため、スコップを入れる角度の良し悪しで疲れ方が全然違います。初めてのときは汗だくでクタクタになりましたが、今日は余裕をもって終了。

実はこのポップなイエローの長靴、けっこう気に入っています。イエローが映えるように色の濃いジーンズとコーディネート?

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≪冷却機≫

冷却機で均一にほぐされながらタンクへと送り込みます(この冷却機を使うのは、掛米(かけまい)と呼ばれる蒸し米の場合のみ。麹や酒母用の蒸し米は別の機具を使いますので、後日紹介)。

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≪杜氏が温度チェック≫

タンクに蒸し米(掛米)を投入するタイミングによって発酵温度が変ってくるため、冷却機を流れる米の温度を杜氏はマメに確認します。

杜氏を任されているのが藤本。これまで7年ほど弊社の酒造りに携わってきたことや酒造研修を修了した経験から、今年から杜氏一年生として責任のある仕事をしてくれています。本人には大変なプレッシャーですが、無事に良い醪(もろみ)が出来上がる期待大! ちなみに昨年までは兵庫県から但馬杜氏が来てくれていました。

ここまでが原料処理の工程。いよいよ難関の麹造りに入っていきます。

                       五代目見習い 彰浩