≪醪造りの工程その8≫
2時間ほど前につくった水麹から糖化酵素が溶出してきたところで蒸し米を放り込みます。これで、スターターである酒母(酛)の準備OK。
ここで、1月19日のブログに書いた下記の日本酒の特徴について説明します。
1)日本酒は世界で最もアルコール度数の高い酒である
2)日本酒は世界でも類を見ない、特殊且つ高度な醸造法にて造られている
右の図に示したように、タンクの中では、「糖化」と「アルコール発酵」が同時並行で起こります(並行複発酵)。このような発酵形態は世界中探してもありません。
例えば、ワインは果汁中のブドウ糖を酵母がアルコールに変換するだけの1段階の発酵です。またビールは麦を湯につけて麦芽のデンプンをブドウ糖に変換(糖化)した後、酵母を加えてアルコール発酵、というように2段階に工程を分けて行います。
対して、日本酒は並行複発酵という特殊な醸造工程を経ることによって、アルコール度数の高いお酒になるのです(原理としては、高い糖度で仕込めば高いアルコール度数の酒ができるはずですが、実際は高濃度の糖に酵母は耐えられず死滅してしまう)。
それでは、酒母用タンクに蒸し米を放り込むところをスロー再生で。
せーのっ
≪投入直後≫
蒸し米は酵素の溶出した水をどんどん吸い込んでいきます。すると、米の内部に入った酵素がデンプンをブドウ糖に分解する ⇒ 酵母の栄養分が増える ⇒ 結果として酵母がどんどん増殖する、というわけ。
ちなみに、酒母(酛)の温度は約20度。高すぎると酵母の繁殖が早く進みすぎてしまうし、低すぎるとデンプンの分解が不十分になってしまうのです、多分。
≪櫂(かい)入れ≫
蒸し米が均一に吸水するように、塊をほぐしてやります。これもけっこうな力がいるのでした。
元アメフト選手、今井の雄姿。実は調理師免許も持っているという職人肌。仕事の丁寧さ、美しさはピカイチ!
五代目見習い 彰浩