今回の旅の一番の目的はこのお店で食事をすることでした。

過去に何度も予約を試みましたが満席や改装で断念。そしてやっとこの日がきたのでした。

事前に電話で予約をした際、山本彩香さんが快く個室を抑えてくださったお陰で、仲間全員がすごく幸せな時間を過ごすことができました。

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≪お店の入口≫

そして、はじまったのです・・・

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≪豆腐よう≫

これは彩香さんの代表作のひとつ。これほどまでにアルコール臭さのない、マイルドでやさしい、チーズのような豆腐ようはありません。

おそらく来月、伊勢丹新宿店で行われる沖縄展で彩香さん自らが豆腐ようを販売されます。東京にお住まいの方、ぜひ。

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≪泡盛≫

この豆腐ように合わせる酒はもちろん泡盛。しかも古酒(クースーと呼びます)。『春雨』の5年もの。

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≪ゴーヤジュース≫

摩り下ろしたゴーヤとリンゴ。生のゴーヤは苦さ満点なのですが、リンゴの甘みと香りで和らげて。

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≪前菜3点≫

(上から時計回りに)田芋を使った大学芋。ゴーヤの素揚げ(種のあるワタごと)。豚ロースの黒ゴマ和え。

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≪ゆし豆腐≫

内地(本州)でいうところのおぼろ豆腐にカツオだしをひいた汁物。すごくやさしい味です。沖縄ではコブ(昆布)とカツオぶしを一緒に使うことはないのか?

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≪刺身≫

なんていう魚か失念。上にのっているみじん切りのハーブは・・・

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≪長命草≫

「さくたば」と呼ぶそうです。野趣満点の草を薬味に。細かく繊維を断ち切ってあるので、口当たりはソフト。そのまま食べると大変ですが。

ちなみに琉球では刺身を酢味噌で食べる習慣があるようです。

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≪びらがらまち≫

びら(ネギ)がらまち(巻く)という意味だそうです。真ん中の芯の部分はカマボコ。この料理から連想するのは熊本名物の「一文字ぐるぐる」。これは芯がなく、ネギ自身を巻き、同様に酢味噌で食べます。一文字ぐるぐるのルーツは琉球か?

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≪ソーミンチャンプルー≫

ソーミン(素麺)チャンプルー(炒め)。沖縄ではすごくポピュラーな料理で居酒屋の定番メニュー。内地で言うところの焼きうどんでしょうか。

彩香さんは島らっきょうを薬味に使い、やさしい味にパンチを効かしています。これ、美味いなぁ。

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≪ミミガーの和え物≫

豚の耳。通常はピーナッツ味噌を使うのですが、かなりさっぱりと。

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≪どぅるわかしー≫

田芋を蒸した後。ラード?で野菜と共に炒めて調味したもの。砂糖は使わずに低温でじっくり蒸すことで、デンプンをブドウ糖に分解、素材の甘みを引き出しています。ラードを使うことでコクが増して・・・、これ、コースの中で一番好きでした。

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≪ラフテー≫

醤油ではなく白味噌を使って、甘すぎないやさしい味に。日本の豚の角煮と違うところは、皮がちゃんとついていること。バーナーやライターで皮の表面の毛を燃やしているはず。魚と同様に皮際の美味い部分を上手に使う、中国で使われている調理法。ここでも大陸文化の名残を感じさせてくれます。

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≪ジーマミ豆腐≫

カツオだしを張ってあり、すごく上品な味に仕上げてありました。ただ、私は前日に食べたイラブー料理 「カナ」のムッチリ系の方が好みかもしれません。もしかしたらコースの中の1品なので、控えめにつくられているのかも。

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≪じゅうしぃのお茶漬け≫

沖縄風の豚炊き込みご飯をカツオだしでサラサラーっと。これ、3杯食べたい。

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≪西国米≫

「しーくーびー」と呼ぶそうです。キャッサバ(芋)のデンプンで作ったデザートを黒糖のソースで。「しーくーびー」の茹で加減がなんとアル・デンテでした。

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≪塩味ちんすこう≫

みやげ物屋で売っているものとは全然違う、滑らかな食感。彩香さんお気に入りらしく、お店で購入することができます。というわけで、蔵のみんなへのお土産に大人買いしました。

彩香さんはお母様と「失われていく琉球宮廷料理」を後世に残すために琉球舞踊家から転身されたと聞いています。これまでに出された著書の中で、つつみ隠さず作り方を公開されています。

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≪記念写真≫

一緒に撮っていただきました。おそらく私だけでなくみんなにとって、今回の旅の最も充実した時間だったのでは?

お忙しい中、長時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

                        五代目見習い 彰浩