やっと念願のお店、アルキメーデに行ってきました。4月末にナパ・ソノマのワイナリーを案内してくださった皆さんと久しぶりの再会場所として。

シチリアでは食べきれないほどの料理をお客様に出すことが歓迎の証のようで、いろんな方からその美味さとヴォリューム感について聞かされていました。それを踏まえて伺った次第。

野菜は全て三浦半島の長島農園のものだそうです。ここは少量多品種を栽培し、そのほぼ全てをレストランに直納されているとのこと。素材の味をダイレクトに引き出すというシチリア料理は初体験なため、かなり期待して伺いました。

実は前日にフードマエストロ クッキングスクールの柴田さんが取材に来店されたとのこと。前菜を試食されたそうで、「今度はプライベートで行きたい」と仰っていました。

そんな期待を胸に伺いました。

アルキメーデ

















≪白ナスのズッパ≫

アミューズはスープでした。といっても、いわゆる液体のそれとは全然違いましたが。火を通したナスのネットリ感とトマトの旨味がパンにも最高です。そういえば、この皿の前に出てきたレバーペーストと豚のリエット(パテ)も絶品でした。


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≪前菜6種≫

これ、2人分です。どれも野菜の味が濃くて、塩梅も絶妙。

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≪ウルメイワシのマリネ≫

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≪レバニラ≫

長島農園から送られてきたニラが美味いので作った、とのこと。もっとニラが食べたくなるお皿でした。

この前に実は白魚のフリットなどの揚げ物が3種でてきました。

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≪生牡蠣≫

上に載っているのはアロエベラ。

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≪ペスカトーレ≫

こちらのスペシャリテだそうです。シチリア料理がそうなのか、それともこのお店のオリジナルなのか知りませんが、魚介の中でも貝類がたくさん使われています。これ、めちゃめちゃうまい! これまで食べたペスカトーレの中で一番でした。

貝類にはコハク酸という旨味成分が多量に含まれているため、出汁をとらなくてもいいくらい旨味が広がります。あさりやしじみの味噌汁がその典型。

旨味の代表的なものとしては、

 グルタミン酸 : コンブ
 イノシン酸  : 鰹節
 グアニル酸  : シイタケ
 コハク酸   : 貝類

などが挙げられますが、これらを単独で使うのではなく、二つ以上を使うことで相乗効果が生まれます。例えば、化学調味料には、グルタミン酸とイノシン酸を使うことで旨味が数倍に増大されます。また、和食の出汁も鰹節、コンブなど必ず併用します。「旨味」という概念がなかったころから、日本人は経験的にそれを知っていたんです。

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≪ツブ貝と水菜のパスタ≫

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≪イベリコ豚と子羊のソテー≫

もう、ひとくちずつ口に入れるのが精一杯でした。美味いのに食べられない、という贅沢な悩み。

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≪ドルチェ4種≫

特に紅玉のタルトがうまし。

こちらのお店、前菜をつまみながらワインを愉しむ。そしてシメにパスタをいただいて帰る、っていう使い方でも十分に満足できます。メインの前にお腹いっぱいになった場合は持ち帰りができますので、メインは翌日にとって置くという使い方もできます。

それくらい前菜の完成度が高いお店。ぜひ予約をしてから行ってみてください。

  アルキメーデ
  渋谷区神泉2-8 小島ハイツ1F
  03-5489−6850
  日曜休日 ディナーのみ営業
  6,000円のコースのみ

                      五代目見習い 彰浩