サペラビ
























サペラビ2

















≪サペラビ種≫

先日仕込んだ赤わいん酢の原料であるサペラビ種がひと房だけ残してありました。なんでも、ロシア原産で耐寒性のある品種のようです。ひとつ口に入れてみると、しっかりとした酸味と十分な甘みが感じられます。

酢にするために必要なことはたくさんの糖分があること。なぜなら・・・

      糖 ⇒ アルコール ⇒ 酸

へと変化していくからです。十分な酸をつくるためには、原料にたくさんの糖分があることが必要なのです。その意味において、このブドウの品質については全く問題ありません。ただ、念のために糖度計で測定してみることに。

サペラビ3


















サペラビ4

















≪糖度計による測定≫

ブドウの果汁を糖度計に一滴落とすと、21.5 という数字が出てきました。味覚は数字だけで表わすことはできないので、一概には言えませんが、十分な甘みがあることが数値の面からも確認できました。

では、なぜ、数字だけで表わすことができないかというと、甘みは酸味と密接な関係があるからです。同じ糖度のぶどうの場合、酸味の弱いものの方が甘く感じます。それを裏付ける事例として、ミカン農家では酸味の少ない品種をつくる割合が増えたようです。酸味を減らすことで甘く感じることを利用したわけです。ただ、酸味のない、言わば甘ったるいミカンは食べ飽きてしまうようです。結果として、冬場にミカンを食べる量が減った、ということを聞いた事があります。美味しいと感じることに関して、酸味はとても重要な働きをしていることがここからもわかります。

次回はいよいよ赤わいん酢のアルコール発酵終了の仕事です。

                        五代目見習い 彰浩