昨日のブログでも紹介済みの、へんこ山田のごま屋こと、山田製油さんで勉強させてもらって来ました。札幌大丸の催事でお隣同士。初日から、専務である奥様とお互いの社長がいかにへんこであるか、で盛り上がりました。へんことは関西の言葉で「偏屈・がんこ」という意味。もちろんここでは社長のパーソナリティーではなく、ものづくりにおいて、と注釈を付け加えておきます。

お隣同士ですから、お互いの製品を見たり、嗅いだり、食べてみたりした訳ですが、香りを嗅いでみて「僕の知るごま油とは明確に違う」事に気付き、奥様に製造工程を伺い、これが本当の、そして本来のごま油なんだと知りました。

要約すると、良い原料を選び、それをたくさん使い、じっくり時間を掛けてつくること。これは自分自身が酢蔵で得た答えと同じであり、嬉しくなってきました。詳しくは以下。
<ごま油の製造工程>


蔵外観

















<<蔵の外観>>
京都市西京区桂の住宅街にあり、決して目立つことはありません。それでも近隣だけでなく、遠方からもお客様が来られるとの事。炒ごまや練りごまなどの、ごま油以外の製品はここでつくられています。

では、肝心要のごま油は?というと、何と京都市の隣接する南丹市にある胡麻(ゴマ)という土地でつくられ、更に地元の方々と栽培にも取組んでおられます。胡麻でごま栽培のエピソードは    <こちら>


炒りゴマ























<<炒ごま>>
工程別に部屋が分かれているのですが、この部屋は扉を開けたと同時に何をしているかが、鼻で分かりました。香ばしい良い香りが充満しています。B級グルメな私は、この機械を見てすぐに、天津甘栗を思い出してしまいした。ゆっくりゆっくりと熱をかけることが大事。


鉄鍋

















<<鉄鍋も使います>>
部屋の傍らの業務用コンロの上には、鉄鍋が。
まさかこれも使っているんですか?
熱を加え、香りを少しづつ引き出していくそうですが、香りのピークと焦げは紙一重。少量のものや最初のロットのものなど。手作業と経験による勘が勝ることもあるそうです。


ゴマの種類

















<<ごまの種類>>
黒ごま、白ごま、金ごま。産地も様々。
炒ったごまのブレンドも手作業で行います。


練りゴマ























<<練ごま>>
ポタッ、ポタッとじれったくなる速さで、練りごまが落ちてきます。もう午後の1時だというのに、朝から練り始めて、バケツにはまだ半分以上隙間があります。


石臼

















<<理由は石臼でした>>
専用の石臼でごまは練られていきます。
上下の石が擦れ合って行く様を眺めていると、意識が遠くなってきそうですが、結末を確かめなくては。という気が起きてきます。後で購入して早速、味見。
やはり違います。僕の知るものとは。滑らかさも甘さも。
原料はごま、それだけなのですが。

製造の方の「石の上にも3年」という、ダジャレにも思わずガッテンしてしまいます。石臼の刻みにノウハウが詰まっているのでしょうね。


店舗外観

















<<店舗も併設しています>>
蔵に隣接した二坪ほどの店舗。ここに全ての製品が並んでいます。ごま油や練りごまは容器をリサイクルしていただければ、中身だけの販売もされています。また、希望小売価格より5%割引されています。


はちみつと練りゴマも

















<<おみやげ>>
自分用のお土産を購入。左からごま油のラー油。看板商品のごま油。ごまの花の蜂蜜。黒ごまの練りごま。これ以外にも、見学に行くと聞きつけた女性社員からたっぷりのお遣いを仰せつかいました。

ごま油とすのもの酢を合わせていただくと、香り高い和風ドレッシングがお手軽に。おすすめできます。

今回、ご多忙の中詳しくお話いただいた、奥様、椎村部長様ありがとうございました。こちらにも是非、いらしてください。

                        蔵番頭見習い 秋山