ほんのちょっとだけですが・・・。

内容はというと、

消費をつかむ ―寡占にスキあり―(1面)

〜過去十年間で作り手の事業所が二割減った家庭向け食酢。飯尾醸造(京都府宮津市)がつかんだのは飲むニーズだ。「紅芋酢」はネット通販、ケンコーコムの部門売上高で九月まで三カ月首位に立った。紅芋を酢の原料として想定していない日本農林規格(JAS)からあえてはみ出る商品作りで固定客を獲得した。〜


私がNYに行っている間に記者の方が蔵に取材に来られたようです。ちなみに、弊社の紅芋酢、黒豆酢、南瓜酢はJASの食酢の分類でどの項目にも属していません。その理由は、「野菜から酢を造る」ことを想定していないのです。JASは5年に1回、見直しを行いますが、大手メーカーやその関係者が中心となった組織が運営しているため、いつまでたっても消費者寄りの基準がつくられることはありません。実際、数年前に弊社社長が改正に向けた会議で野菜酢の基準の必要性について提案したときも糠に釘だったようです。

日本の食に関する基準欧米諸国に比べ非常にユルイのです。その一方で、食料難の時代の基準を引きずっていることもあります。例えばマヨネーズ。

ご存知の方も多いと思いますが、「美味しくて安全なマヨネーズがないから自分で作った」という『松田のマヨネーズ』。砂糖の代わりに蜂蜜を使っていることがJASの品質表示基準違反に問われたのが2002年。昔は砂糖が貴重であったため、それを使うことが高品質の証であるとして義務付けられていたのは理解できます。しかし、この飽食の時代に、品質の高い商品を作ることを目的に蜂蜜を使ったことが問題アリとされる。一事が万事、こうなのです。

この国でまともな食生活をしていく、言い換えると、「健康な身体を維持していく」ためには、消費者の皆さんが正しい知識を持つ必要があります。もちろん、そのためには生産者がもっと消費者に近づいて、情報の公開や高品質な製品開発への努力を続けていくっていうのが前提であると考えています。

                       五代目見習い 彰浩