≪宮津市由良にある酒蔵≫
伝説や民話の「安寿と厨子王」や百人一首(由良の戸を渡る舟人・・・)で知られる宮津市由良。こちらにあるのが純米酒や果実の酒を仕込む蔵。4月〜9月にかけては誰もいない、静かな蔵がだんだんと忙しくなってきました。
≪収穫した紅芋≫
今年の紅芋(アヤムラサキ)は全て、京丹後市の梅本さんにお願いしました。梅本さんは大手食品メーカーに勤めた後、農業に従事されている方で、杜氏の藤本とも仲良くしていただいております。その梅本さんの作る紅芋は大きくて、立派なもんです。しかも、小さな芋は納品しないなど、きっちりとした仕事をして下さる方。そのため、弊社では安心して原料の栽培をお願いできるのです。もちろん、化学農薬を一切使わずに作ってもらっています。
紅芋作りの詳細についてはこちら。
≪洗浄≫
まずは水できれいに土を落とします。
≪両端をカット≫
両端には繊維質が多いため、一本ずつ包丁で落としていきます。今日のノルマは4人で1トン。さて、何時間かかることでしょう。
≪アヤムラサキ≫
やせた芋です。スーパーに並んでいるサツマイモに比べるとデンプン質が非常に少なく、その反面、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが大量に含まれていることが特徴。芋焼酎に使われる黄金千貫(こがねせんがん)1個とアヤムラサキ3、4個で同じ量になるくらい小さい品種。
でも、この鮮やかな紫色が健康にいい酢のモトになるのです。
≪甑(こしき)≫
甑とは、蒸し器のこと。1トンの芋を入れた後、約1時間かけて低温でじっくりと蒸し上げます。このとき、60〜70℃を長時間保つことで、デンプンをブドウ糖に分解する糖化酵素(アミラーゼ)の力が最大になり、より甘い(酵母の栄養になりやすい)状態へと変化していきます。
紅芋酢の仕込み作業は根気の要る単純作業が続きます。機械化できないことが非常に多いため、人海戦術で行わざるを得ないわけで。杜氏の藤本、副杜氏の今井をはじめ、1月からの純米酒仕込みの前の大きな仕事です。この紅芋酒の出来如何によって、紅芋酢の品質が変わっています。っていう、プレッシャーを適度にかけながら、応援していきたいと思います。
五代目見習い 彰浩
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