今日の昼前、名古屋から帰ってきました。名古屋の高島屋にお運びくださった皆様、本当にありがとうございました。今回もたくさんの方に酢を始めとした、きちんと造られた食材のことを伝えることができました。現在の日本農林規格(JAS)では、酢の品質の良し悪しを判断することが難しいため、草の根運動をしていかなければ。

そんなことをしているとうれしいこともあるわけで。白扇酒造さんの『福来純 3年熟成本味醂』を紹介したお客様が大変喜んでくださり、再度売場に来てくださいました。ちょっとだけ、お客様とお酢屋の距離が縮まった瞬間!

ところで、蔵に戻って雑務に追われながらもこんなことをしました。

木村さんの林檎

















木村さんの林檎7

















≪林檎5種≫

木村さんの林檎の食べ比べ。

先日、杜氏の藤本がアップした林檎、実は5種類もあったんです。私が帰ってくるまで、数個ずつ取って置いてもらったのを食べ比べしたのでした。収穫時期などがそれぞれ違うことから、水分含量なども変化しているんだと思いますが、どんな特徴があるのかを全くのシロウトとしてお伝えしてみます。あくまで個人的な感想。

木村さんの林檎2


























≪王林≫

今回届いたもののうち、唯一黄色の品種。小ぶりで細長い。カシュッカシュッという、しっかりとした歯ごたえあり。甘みは他の品種に比べて若干弱い?

木村さんの林檎3


























≪世界一≫

一番大きくて、赤と鮮やかな黄色のグラデーションがあります。シャクシャクとしたソフトな食感と、甘みが強く、ジューシーな果汁が特徴でしょうか。酢にするのに一番適しているような気がします。甘みが強いためアルコール発酵後も甘みが残っていることと、一個一個が大きいため作業効率がいいから。

木村さんの林檎4


























≪ジョナゴールド≫

小さくて真っ赤な品種。イギリスの林檎を思わせる形。最もソフトな食感で子どもやお年寄りに好かれそう。歯が弱い人にも安心。個人的にはこれが一番好み。カシュッカシュッ系よりもシャクッシャクッ系が。

木村さんの林檎5


























≪サンフジ≫

比較的大きい品種。ちょっとくすんだ色で見た目はあまりおいしそうには見えない品種かも。カリッカリッというほど強い食感。甘みは十分あります。

木村さんの林檎6


























≪北斗≫

真っ赤で丸みを帯びた形状。最もミツが多かったのがこれ。固めの食感ですがサンフジとはちょっと違った味。旨みというか味の濃い品種?

と全くのシロウトが適当なことを書きましたが、5種に共通することは、エグみが皆無であること。これはおそらく窒素分が過剰に入っていないから。慣行(その地域で普通に行われている)農法では、農薬の他にも化学肥料を使います。その中の窒素肥料によって土に不足しているであろう栄養を補うわけですが、肥料に含まれる過剰な窒素分は果実や野菜にエグみとなって現れてくるそうです。例えば、昔に比べて近年のホウレンソウは昔に比べてエグみが強いと言われるのも同じ事のはず。もちろん品種の違いもあるわけですが。

というわけで、木村さんのりんごを食べ比べするという罰当たり的行いをしました。催事でがんばった自分へのご褒美として許してください。

                       五代目見習い 彰浩