
≪ロンフーフォン外観≫
恵比寿や広尾、白金台の間の、ちょっと足を運びづらい場所にあるロンフーフォン。看板のない、しかも家電屋さんの2階にある15、6席ほどのお店の人気は凄まじく、昔からのお客さんの予約で手一杯の状態だそうです。実は3年ほど前にここから徒歩5分ほどのところに住んでいました。そのときからずっと狙っていたお店に、いつもお世話になっている方々に連れて行っていただきました。総勢8名での素晴らしい時間をプレゼントいただきました。

≪ピータン豆腐≫
シャンパンで乾杯した後の前菜。1ヶ月以上も前からワクワクしていたため、「あまり期待しすぎると感動が薄れるかも」と心配していたのですが、ひと口の後、その心配は杞憂であったことに気づきました。
荒く潰した木綿豆腐の上にはピータン独特の香りをマイルドにした甘いペースト。ピータンの「クセ」の部分から「コクと旨み」だけ抽出したような、なんともいえない上品なムース。

≪Chateau La Lagune 1975≫
なんと、ホストの方が私のバースディ・ヴィンテージを用意してくださっていました。無知な私にはどういうワインなのかわかりませんが、初めて飲んだ生まれ年ワインはじっくりじっくり、ほんの少しずつ大事にいただきました。グラスに注がれたときからだんだんと香りが花開いていく様はあたかも私の人生のようで…。いや、まだ全然、花開いてないのですが、とにかく、これまでで一番大事に味わったワイン。Yさんに感謝。
ちなみにこのお店はお酒を召し上がらない方にも素晴らしいサービスがあります。

≪中国茶≫
テーブルに着いたときからデザートまで、料理に合わせていくつもの特級茶葉のお茶をサーブしてくれるのです。この日はたしか3種類いただきました。それぞれ茶器も陶器やガラスなど換えてくれます。このあたりのサービスを自然にしてくれるのはオーナーの森田さん。

≪酸辣湯(スーラータン)≫
サンラータンとも呼ぶのでしょうか。辛くて酸っぱくて旨みのあるスープ。実はこれ、『純米 富士酢』が使われています。一味というか唐辛子の刺激的な辛味は味覚を麻痺させるため、特に旨みが感じにくくなるのですが、出汁のコクに富士酢の旨みが加わることで旨みがしっかり感じられます。って、手前味噌ですが。豆腐は辛味を和らげるためでしょうか、激辛カレーに入ってる大きなジャガイモと同じ役割?

≪ボルドーワイン1966≫
なんていうワインかわかりませんが、1966年のものはもう一人のYさんのバースディ・ヴィンテージでした。自分と同い年のワインは、5大シャトーとか著名でびっくりするほど高価なワインとは違う、本人にしかわからない感動があるのではないでしょうか。少なくとも私はそう感じました。

≪黒酢の酢豚≫
これもこのお店の看板。とにかく絶品でした、としか言えません。ちなみにお酢は中国の香酢が使われています。


≪紅芋酢の麺≫
ここまでしていただいて、もう何もいうことありません。私にとって、この日一番美味しかったのがこの麺でした。熱々ではなく冷たいタレのようなスープには、『紅芋酢』の丸みとキレが同居したような酸味がやわらかめの麺にしっかり絡んで―。

≪杏仁豆腐≫
とどめのデザートも秀逸。杏仁の香りが鼻腔をくすぐり、ねっとりモチモチの白い塊が喉の奥に次々と流し込まれていきました。
他にも、ウドとカンゾウの塩炒めや里芋の紅麹味噌、中華風ハンバーグなど全8品。ピータンソースの甘味から始まり、辛味、酸味、塩味と一皿ごとに飽きの来ない、素晴らしい流れ、最高の時間でした。
楽しい食事って、いろんな要素あると思います。料理やお酒の美味しさはもちろんのこと、卓を囲む人達との会話や思い入れのある食材、お店の雰囲気やサービス・・・。一生忘れることのない食事となりました。この会を開いてくださった皆さん、ロンフーフォンの森田さん、柳沼シェフに感謝。
ちなみにロンフーフォンから徒歩2、3分ほどのところにロウホウトイという姉妹店もできました。こちらは予約して食べることができます。こっちも行ってみたい。
ロウホウトイ 渋谷区恵比寿3-48-1
五代目見習い 彰浩
コメント
コメント一覧
たくさんの幸せの要素が揃った”美味しい”は心に刻まれます。
ま、五代目見習いさんの”人徳”と言うものでしょう。
私も初ロンフーフォン、5月に行ってきます!!参考になりました。