2008年03月28日

名古屋の江戸前鮨、すし弥助を貸切状態?で楽しみました

先日の名古屋出張の初日、商品の搬入・売場作りを終えて、すし弥助に向かいました。こちらはちょうど1年前に初めて行ったお店。「名古屋で江戸前鮨?」と言われそうですが、東京に比べて安価で、且つ丁寧な仕事がしてあり、大満足したのでした。

そして、今回、18時の開店と同時にお店に伺うとご主人は1年前のことを覚えてくださっていました。

弥助























≪外観≫

シンプルで控えめな外観は見落としてしまいそうです。


弥助2



















≪カウンター≫

白木のL字カウンターは全8席。実はこの日、他に予約をされたお客様の来店が遅れたことや、私自身、開店と同時に席に着いたこともあって、ご主人を独り占め。「通常は写真の撮影もお断りしています」とのことでしたが、他のお客さんがなかったこともあって、気持ちよく了承していただきました。ラッキーでした。

弥助3


























≪つまみ≫

私は鮨屋ではつまみ少々、握り主体が好きです。鮨を食べる前にお腹がいっぱいになったらもったいないから。

イカやシャコ、ホタテなど、つまみもきちんと仕事がしてあります。そして、ヒラメの子(卵)、肝、胃袋も。特に肝は素晴らしかった。ビールじゃなくて、純米酒が欲しくなります。これを食べると1年前のことが思い出されます。

そして、すぐに握ってもらいました。

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≪づけ≫

弥助さんでは一切、生のネタは出てきません。全てに仕事がしてあります。酢で〆たり、甘酢にくぐらせたり、煮たり、炙ったり。そういう意味においては、もしかしたらネタの鮮度よりも仕事重視のお店だと言えそうです。

おそらく、ネタも仕入れてすぐに使うのではなく、1日か2日寝かせてから使われているのでは、と勝手な想像。

例えば、魚や肉の筋肉(タンパク質)には死後硬直が起こり、

   ATP(アデノシン三リン酸)
        ↓
   ADP(アデノシン二リン酸)
        ↓
   AMP(アデニール酸)
        ↓
   IMP(イノシン酸)=旨味

へと時間の経過と共に分解されます。魚の種類や大きさにもよりますが、締めてから半日から2日で旨味は最大になるようです。また、IMP(イノシン酸)は昆布の旨味(グルタミン酸)と合わさることによるシナジー(相乗効果)で旨味が数倍に。これが、白身の昆布締めが美味い理由のひとつです。ちなみに、美味さのもうひとつの理由は塩を振ることで脱水されて旨味が凝縮されるから。

弥助5



















≪ヒラメ≫

一人だったこともあって、多分、ご主人が特別に出してくれたんだと思います。エンガワ。回転寿司のエンガワは水分の多い深海魚のものですが、これは全く別物。こればっかりは、「エンガワください」と頼めるもんでもありません。コリコリの食感と白身の控えめな旨味を満喫する幸せ。

そして、ご主人からこんな一言が。

「3月から富士酢を使わせてもらってます。まだ今は、これまで使っていた酢とブレンドしていますが。ツーンという酢独特の刺激がないことにびっくりしました。他の酢と全然違いますね。」

とのこと。ニマっと顔がほころんだ瞬間。

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≪シマアジ≫

表面を炙ってあります。去年は3枚づけでしたが今回は2枚づけ。これも理由があるはず。あくまでこれも想像ですが。

まずは鮮度と旨味の関係。前述の通り、締めた直後は死後硬直の最中なので歯ごたえがしっかりで、旨味は乏しい。それに対して、1日2日経つと死後硬直が解けて歯ごたえがソフトになり、旨味(イノシン酸)がでてきます。この法則から考えると、鮮度の高いネタは薄く切り、反対に熟成が進んだネタは厚めに切ることで食感もしくは旨味を最適化しているのでは? つまり、今回の2枚づけは、去年食べたものよりも少し時間が経ったネタだったからでしょうか。それとも単純に魚が大きいからという理由?

いずれにしても、鮨の美味さは鮮度だけではない、ということは間違ありません。もちろん、魚の種類によっては鮮度が命、というものを数多くあります。そうでなければ、築地や漁港に足繁く通わないでしょうから。

とはいえ、鮮度だけでいえば、東京よりも宮津の方がよっぽどええものが手に入りますが、実際の鮨の美味さは・・・。これは、鮨の美味さがネタの品質と技術の両方によることを意味しています。

弥助7



















≪茹でエビ≫

弥助8



















≪コハダ≫

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≪〆鯖≫

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≪牡蠣≫

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≪煮はまぐり≫

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≪煮あなご≫

全部で17貫、ご主人を独り占めした至極の2時間でした。ちなみに牡蠣は煮びたしにしてあるそうです。生よりも少しぷっくり、しっかりとした食感でありながら、脱水されることで旨味があふれていました。

開店直後の苦労話もいろいろ伺いました。「トロもウニもイクラもない」と酷評されたり、お客が一人も入らない日が続いたり。でも、今では江戸前を理解しているお客さんに支えられているとのこと。まだ30代と同年代のご主人だからこそ、話も弾みました。

こういうお店で富士酢を使ってもらえることに心から感謝です。美味しかった。ご馳走様でした。

                      五代目見習い 彰浩



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この記事へのコメント
はじめまして、こんにちは。
以前の弥助さんの日記でこちらのサイトを始めて知り、
お気に入り登録させて頂いていました。

今日何気なく見てみたらまだ弥助さんの日記だったので、
嬉しくなってコメントさせて頂きます!

私も弥助さんは2回お邪魔して、
その都度幸せな時間を頂きました。
シマアジ、私の時も3枚でした〜。

写真を見ていたらすぐにでも食べに行きたくなりました!

Posted by 長尾 at 2008年03月28日 12:19
長尾様

美味しいですよね。
ぜひまた行ってみてください。
シャリの味が以前とは違うはずですので。
Posted by 五代目見習い at 2008年03月28日 14:07