2008年11月14日

梨酢の仕込みが始まりました ―梨のアルコール発酵―

昨日、酒蔵に丹後産の梨が入ってきました。

今年は無花果酢、赤わいん酢の在庫が潤沢にあるため、秋の果実酢の仕込みは梨だけ。この仕事で秋を感じていたので、今年は少し寂しいのですが。

梨酒の仕込み


















≪酒蔵の様子≫

純米酒造りでお手伝いいただいている、近所の農家の澤井さん、安田さんに手伝ってもらい、藤本、今井を含めた4人で梨の洗浄、粉砕をしていきます。


梨酒の仕込み2



















≪新興≫

「しんこう」という大きな梨は地元・丹後産。今年は400kgが納入されました。

一時のブームに乗って、いろんなメーカーから果実酢が発売されていますが、そのほとんどは外国産の6倍濃縮果汁。なんと、ドラム缶で輸送されます。

弊社の果実酢はこのように完熟の国産、地元産の果実をそのまま使うため、香りや風味が全く違います。これ、甘味と酸味のバランスがちょうどよくて美味いんです。もったいない、と思わないでください。こういう食材だからこそ、ええもんができるんですから。

つまみ食いはこの仕事をする人の特権。

梨酒の仕込み3



















梨酒の仕込み4



















≪洗浄≫

半切りと呼ばれる大きなタライに水を張って、1個ずつ丁寧に洗っていきます。この季節に素手で洗い物、って写真を見るだけで冷たそうでしょ? 

実は全く冷たくないんです。なぜなら、井戸水を使っているから。この水は純米酒の仕込みでも使う、綺麗な軟水。ご存知の通り、井戸水は一年を通して温度の変化が少ないのが特徴です。だから、この11月でも気持ちのいい温度なのです。

梨酒の仕込み5

































梨酒の仕込み6



















≪半分に切る≫

次に包丁を使って梨を半分、もしくは1/4にします。その理由はふたつ。

 .悒燭鰺遒箸
  (ヘタの周りは汚れが落ちにくく、雑菌が繁殖しやすいため)

 ▲潺サーの回転数を抑えるため
  (長時間、連続でミキサーを使うとモーターが熱をもって止まってしまう)

ひとつひとつ手作業ですが、梨は大きいから意外と早く作業は進みます。

梨酒の仕込み7




































梨酒の仕込み8



















≪ミキサーにかける≫

下処理の終わった梨をミキサーで粉砕していきます。

今回は400kgなので、モーターが焼け付くことはなさそうです。3月に木村さんの奇跡の林檎を仕込んだときには、途中で熱くなり、付属のセンサーによって自動的にミキサーが止まってしまいました。そのときには冷凍庫から保冷剤をもってきて、モーター側に貼り付けて作業しましたが。

400kgの梨の粉砕が終われば、酵母を入れて出来上がり。後は雑菌に汚染されないようにアルコール発酵が終わることを願うばかり。というと、なにもしなくてもよさそうですが、藤本や今井は毎日、アルコール度数や品温を測定したり、圧搾する日を考えて酢蔵のみんなと酢酸発酵を開始する日にちを決めたり。

果実からお酒を仕込むことが1月から始まる純米酒造りのウォーミングアップみたいなもんです。もちろん、純米酒の方がよっぽどデリケートで長期に渡る大変な仕事ですが。

とはいえ、このような果実の仕込みは年に一度しかありませんので、作業する者も楽しんでいます。今日の酒蔵は梨の爽やかな香りに包まれていたのでした。

                      五代目見習い 彰浩



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この記事へのコメント
一度仕込みを見に伺いたいものです。ものすごく丁寧に作業されていますね。こんな美しい梨で作った果実酢!おいしいでしょうね。
Posted by くに at 2008年11月14日 17:54
くに様

ぜひお越しください。

ただ、アルコール発酵のタイミングは果実が入荷するギリギリのタイミングにならないとわからないので、ある意味、運です。
年によっては造らないこともありますし。

でも、一度来ていただけるとうれしいです。
Posted by 五代目見習い at 2008年11月15日 10:00