毎年、12月に忘年会をしています。これまでは送迎バスの有無が店を選ぶ際の重要な要素であり、純粋に味で判断していませんでした。宮津周辺の料理屋の数はそんなに多くないし、かつ送迎してくれるところは限られているわけで。

しかし、今回は初めて、「送迎はないけど富士酢を長年使ってくれていている」という噂を聞きつけ、宮津市役所前にある「岸和田」さんに伺いました。

こんぴらうどんのオヤジさんの同級生でもあり、辻調で講師をされてたとか。結論から先に言うと、すばらしい料理でした。これ、この値段でええの? と思うくらいに。宮津にこんなええ店があったとは。

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≪忘年会の様子≫

こんな広いお座敷に、社員、パート合わせて20名弱で。東京では考えられないような贅沢な空間とでもいいましょうか。

さて、料理は5,000円のコースをお願いしました。

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≪突き出し≫

さごしのあぶり寿司。さごしとはサワラの小さいやつ。1メートル以上の大きさになって初めて、サワラと呼べるようです。もちろん富士酢が使われています。旨みがぐっと乗っていて美味しい。個人的にはもう少し、甘味と塩味が抑えてあるとさらに好みですが。やっぱりお酢屋やからなのでしょうか。

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≪八寸≫

さごしの生へしこ、秋イカのみりん漬け、セロリの土佐酢漬け、むかごの素揚げ、煮サザエなど。生へしこが美味しかった。しょっぱ過ぎず、かといって、最近よくある鯖へしこのように脂ギトギトじゃなくて。秋イカも浸透圧の関係で、しっかり脱水された分、トロッとした食感と旨みが凝縮されていました。生イカを使わないところがさすがでございます。

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≪造り≫

小鯛に赤バイガイ、そしてトラフグだそうな。トラフグは蔵から車で5分のところにある海洋高校のもの。ってことは、地元で高校生が養殖してるもの。知りませんでした。

これまでの料理内容でわかっていただけるように、こちらは地元の食材をきっちり使われています。当たり前と思われるかもしれませんが、意外と宮津のお店の中では珍しいかも。酒も酢などの調味料も、宮津とはまったく関係ないものを使っているお店がほとんど。ええ材料使って、ちょっとだけ単価を上げた方が絶対にお客さんには喜ばれると思うけどなぁ。

さて、この日一番気に入ったのがこれ。

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≪こっぺ蟹のカッペリーニ≫

地元のメスのズワイガニを使った冷製パスタ。内子、外子、身のすべてがたっぷり使ってありました。この季節だけのお皿。和のティストでまとめられており、燗の純米酒ともぴったりでした。すばらしい!

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≪自家製梅酒 紅芋酢かけ≫

たしか焼酎で漬け込んだ自家製だったはず。紅芋酢で甘みを和らげると料理の邪魔もしなくて、より美味しくなります。

料理は他にも

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≪真カレイのから揚げ≫

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≪カモと大根のロースト 富士酢のソース≫

大根がやわらかかった。寒くなると繊維が気にならなくなってトロットロになりますね。美味しかった。

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≪紅ズワイのそば雑炊≫

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≪ほうじ茶プリン 小倉あんとザクロ≫

ボリュームはもちろん、味もすばらしかったです。今後はちょくちょく岸和田さんにお世話になりたいと思います。

「宮津に行くときはここにしよう」と思われたあなた。必ず事前に予約をされることをお勧めします。当日にふらっとお店に入って、というわけにはいきません。チェーン居酒屋とかとは違うので。

  岸和田 京都府宮津市字本町793-2 電話0772-22-2248

                      五代目見習い 彰浩