2008年12月24日

京都・上賀茂の冬の風物詩、すぐき造りを勉強してきました その3

すぐきづくりの最終章です。

すぐきづくり21



















すぐきづくり22



















≪重石を載せて≫

一日に数回、約1週間かけて、てこを入れ替えながら重石を載せ替えます。約200kgもの重量によって、また高濃度の塩によって水分が数分の一にまで減ります。ここまでは冬の京都の寒さの中で行う作業のため、温度が乳酸菌の好みではないため、増殖はそれほど活発ではないはず。

そこで、樽を室(むろ)と呼ばれる部屋に移して1週間程度、温度をかけることで乳酸発酵の活性化を促すわけです。乳酸菌は37℃前後を最も好むはず。その温度のかけ方こそが各農家のノウハウ。これは酒蔵で麹を造ることとよく似ています。米の品種や精米歩合、蒸し方、温度、室の形やフタ、箱の大きさなど、味に関する要素はたくさんあるわけで。

この室(むろ)の扉に近づくと、独特の香りがします。やまけんさんは、「動物性の香りがするなぁ。かぶらと塩しか入ってないのに」と。おそらく、乳酸菌が死滅したことに由来する匂いかと。高温下で1週間、といえば死滅期に入っているはずで、菌体、つまり有機物が分解されるときに出たもののはず。出来上がったすぐきにはそのような香りは全くしませんでしたので。


すぐきづくり23



















すぐきづくり24



















≪できあがり≫

上に敷いた葉っぱを除くと、真っ白いすぐきがめりこんでいます。めりこんでるっていう表現がぴったりなほど、ギュウギュウに詰まってます。

出来上がるまで2週間。9月頃に種を蒔くことを考えると3か月以上もかかります。そして、ひとつが1,000円〜1,500円くらいにしかならないとか。一方、一般的な浅漬けは野菜を仕入れて洗い、化学調味料入りの調味液に漬け込むと数日で商品ができてしまいます。

酢も一緒。醸造アルコールや買ってきた酒を原料にたった1日で発酵させたものや化学調味料で味付けしたものがそこそこの値段で売られてる現状。片や、農薬を使わずに手作業で米を作って、純米酒を醸して、2年かけて酢にしてる。これをアホらしいと思ったらそこで終わり。

こんだけクソ真面目に酢造ってるところ、絶対にあらへん。それって、ステキやん!
とプライドもって続けるのって、かっこエエから。

こういうことは、同業他社の蔵を見せてもらうよりも、異業種のホンモノを造ってる人達から気付かせてもらうことが多い。

来年は蔵のみんなに積極的に外に出て行ってもらおうと思います。3年前にはいろいろなところに見学してたので、それを復活させるつもり。勉強したい場所を自分で探して、自分でアポをとって、自分で質問を考えて、自分で動く。もちろん、それをブログにアップするところまで。それが蔵の新しいチカラになるはず。来年はそんな年にしたいと思います。

                        5代目見習い 彰浩



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