酒蔵では毎日午前と午後の2回、米を蒸します。午前は掛け米のコシヒカリ。午後は麹米の五百万石。

約1時間かけて蒸し上げるのですが、この湯気がたまらなく好き。その理由のひとつはあったかいこと。なんせ、酒蔵は寒い。なのに、後で汗をかくことを知ってる私はTシャツ1枚の上に白衣という薄着。蒸し場の湯気はストーブ代わりなわけで。もうひとつの理由は、圧倒的な量の米を見られること。今日は乾燥重量で690kgの米を蒸しました。水を吸っていることを考えると1,000kg、つまり1トン以上。石原軍団の炊き出しにも負ける気がしません。

蒸しあがり




















蒸しあがり2




























蒸しあがり3




























≪蒸し上がり≫

米が蒸しあがると、いよいよ私の出番。大好きな仕事である蒸し米掘り。

初めてこの仕事をした4年前の疲労度はすごかった。ヘロヘロという言葉、こういうときに使います、という例のごとし。コツを覚えた今ではタダでできるエクササイズ状態で心地よい疲労感を楽しんでいます。

蒸しあがり4





























≪蒸し上がりのチェック≫

まずは熱々の米を手でつまんで、その後はひねり餅にして蒸し具合を確認。外硬内軟(がいこうないなん)と言われる状態かどうかを確認します。これも酒の出来を大きく左右します。

蒸しあがり5




















蒸しあがり6



















≪蒸し米掘り≫

3年前に新調したお気に入りの黄色い長靴を履くと約40分間の作業。サウナの中でエアロビ状態。ホットヨガ状態ともいう?

疲れないコツはスコップの角度。なるべく垂直の角度で、自分の体重を使うこと。始めのうちは力任せでも大丈夫ですが、後半になってくるとバテます。しかも、底に近くなればなるほど、米の重みで密度が高くなっているわけで。

体験してみたい、という方はいらっしゃいますか? 来年あたり、体験会してもいいかも。誰もやりたくないか…。

                      五代目見習い 彰浩