2009年03月10日

大阪の江戸前鮨を独り占めした夜 鮨れんげ

鮨屋を貸し切る。

それはたぶん、ほとんどの人が考えたこともないような贅沢。でも、やっちゃったもんね(実は1年前に名古屋のすし弥助でも)。といっても、貸し切ったわけではありません。開店と同時に入るとゆっくり楽しめることもあるってこと。

さて、昨日の続きで握りを。

鮨れんげ6



















≪小肌≫

これは文句なしに美味しい!

酢〆めされた小肌はシャリと一緒にずっと噛んでいたいネタNo.1。サバもいいけど、脂の少ないことから小肌に分あり。

ちなみにご主人曰く「家に帰ってからのどの渇かない鮨を目指した」とのこと。これ、同感です。ツーンと酸っぱいだけで旨味の少ない酢を使う場合、塩をいっぱい入れる必要があります。「塩梅」っていう言葉のとおり、酸っぱいぶんだけ塩分も多くしないといけないわけで。

ちなみに富士酢と他の酢のアミノ酸量を分析すると数倍の違いがあります。アミノ酸の量が酢の柔らかさを決めるひとつの指標になるわけ。

鮨れんげ7



















≪ヅケ≫

赤身はヅケになってる方が好き。漬け込むことで脱水され、醤油やみりんの旨みが加わって、マグロのちょうどよい酸味が味わえます。それもそうやし、江戸前はやっぱりヅケですよね。

ただ、欲を言えば、ネタがもう少し小さい方がバランスがいい気がしました。とはいえ、美味しい。

鮨れんげ8



















≪ヒラメ≫

実はヒラメは2巻いただきました。生のとこちらと。断然、こっちの方が美味しい。甘酢にくぐらせた後、昆布〆してあります。白身の鮨は鮮度よりも熟成が進んでいる方が美味しい。なぜなら、鮮度がいいとコリコリとした歯ごたえは楽しいけど、ご飯と一緒にほぐれないから。それに、旨みも乗ってないし。

もっと詳しく言うと、魚や肉の筋肉(タンパク質)には死後硬直が起こります。特に大きい魚は死後硬直の時間が長く、旨みが乗ってくるまでに時間がかかります。

ちなみに、旨みが乗る原理とは、

   ATP(アデノシン三リン酸)
        ↓
   ADP(アデノシン二リン酸)
        ↓
   AMP(アデニール酸)
        ↓
   IMP(イノシン酸)=旨味

また、IMP(イノシン酸)は昆布(グルタミン酸)と合わさることによるシナジー(相乗効果)で旨味が数倍に。これが、白身の昆布締めが美味い理由のひとつです。ちなみに、美味さのもうひとつの理由は塩を振ることで脱水されて旨味が凝縮されるから。しかも、一度、甘酢にくぐらせることで、pHが酸性に傾くことから、ヒラメのもつ酸性プロテアーゼ活性が大きくなり、旨みがますますアップするわけ。

なんだか長くなってしまいました。では、次のネタ。

鮨れんげ9



















≪ウニ≫

海苔で巻いた軍艦じゃないのがうれしい。しかも、この塩がまた美味しい。ウニが濃厚過ぎず、甘味があって、すごくいい。

ご主人に伺ったところ、「海一粒」という塩だそうな。結晶の粒が大きく且つ揃っているのでカリッとええ感じ。調べてみると、加熱処理をしていない、珍しい海塩だそうな。ぬちまーすと同じような製法のはず。

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≪太刀魚≫

これ、この日の一番。江戸前鮨に太刀魚はありませんが、美味しけりゃいいわけで。分厚くて立派な太刀魚を炭で焙って大根おろし。最高でした。でも、ネタはもう少し小さくてもいいなぁ。

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≪アナゴ≫

やわらかく煮た後、薄い杉板?に載せて炭で焙ってくれます。ツメが甘過ぎず、これも好みの味でした。

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≪干瓢巻≫

中国産が多い中、国産にこだわって、きちんと戻すところからやってるとのこと。真面目に美味しかった。

鮨れんげ13


















≪太巻き≫

これも作ってもらいました。お土産にしたのですが、翌日の朝食べたら美味しかった。

またぜひ17時の開店と同時に伺いたいお店です。たぶん、もっともっと美味しくなってると思います。ご興味のある方はぜひ、ご主人にいろいろ教えてもらいながら楽しんでください。日本酒もしっかり旨みののった純米酒が揃っています。

富士酢使ってくれてるのを差し引いてもおススメできるお店。美味しくて楽しめる鮨屋さんです。

                       五代目見習い 彰浩



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