先日、静岡に出張して参りました。
目的の一つが落合ハーブ園の視察。
「富士ピクル酢」の原料として、オーガニックローリエを作っていただいています。

落合ハーブ園カタログ


「富士ピクル酢」はドライトマトを煮出して旨みをとっていますが、ローリエは香り
付けと臭み消しの役割担っています。
ところで、このローリエ、国内に流通しているものは、ほとんどがトルコ産らしい
のです。一説によると99%!
そんな中、通常生ハーブをメインで出荷している落合ハーブ園には、無理を聞
いていただき、ほぼ飯尾醸造専用に乾燥してもらっています。

早速、畑と加工工程を案内していただきました。

<外観> ハーブレストランも併設されています。
外観


<ハーブの苗>標高200mそこそこですが、富士山の裾野に拡がる高原のような趣。
庭
作業


<ローリエの木というか、月桂樹の林>葉の量が豊富で、樹勢の強さが分かります。
ローリエ林

落合さん


<ローリエ>なかなか肉厚です。
ローリエ葉


<カイガラムシ>体に良いはずのハーブに農薬を使っては本末転倒と、会社設立
以前から農薬を一切使わずに栽培されています。
なので、葉に着く虫には苦労されています。
カイガラムシ枝

カイガラムシ葉


<乾燥工程>天日が一番、と思われがちですが、日に焼けて品質が落ちてしまう
そうです。で、一般的には温風乾燥で1日程度で済んでしまうところを、常温の送風
だけで4〜5日かけてじっくり、ゆっくり乾燥させていきます。         
乾燥

温度計


<歴然の差>お店に戻って商品棚を見せていただいて気付いた事。
         同じ商品名でも価格が異なるものが隣り合っています。
         そして、見た目が全く違う。
                  
棚

エキナセア比較

左が落合ハーブ園のもので、右がドイツ産。

その違いの理由を教えてもらいました。
色の違い。
これは乾燥工程の差。先程の画像にもあったように、落合さんの方法で乾燥させると、
葉が緑のままで、まるで生葉のように活き活きとしている。

右のドイツ産を良く見ると、葉よりも茎の方が多いくらいです。
1日かけて収穫したハーブも選別と乾燥を経ると、1割以下に減ってしまい、完成品は
ほんの数十グラムということもあるそうです。
それでも落合さんの性格上、茎を混ぜる事も、害虫の食害のひどい葉を混ぜることも
できないとの事。

比べると香りに大きな隔たりがありました。
落合さんのハーブに出会い、今までの輸入物には戻れなくなってしまったお客さんも
あるとのこと。
どちらも有機JAS認証の同じ商品名。
価格差は400円。
表示には現れないところで、実はその何倍もの品質差があります。

丁寧な仕事をがもたらす品質を知り、良い原料を提供していただいていることに、
改めて感謝の念を持ちました。

<落合夫妻>長時間にわたり、ご案内とお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
落合夫妻

                                             蔵人 秋山