ここ最近、お客様から電話やメールにて問い合わせが相次いでいます。

 「今年の秋、収穫される米から酢ができるのはいつですか?」

 「お米の産地はどちらですか?」

特に小さなお子さんのある家庭から、内部被ばくを避けるためにと問い合わせをいただくことが多いです。そのため、このブログでも飯尾醸造の原料米に関する考えをお伝えしたいと思います。

原料米は100%、京都・丹後産です。品種はコシヒカリと五百万石。そのすべてを契約農家と私ども蔵人で作っています。また、除草剤を含む農薬を一切使用しない米のみを使い、酢を仕込みます。ただし、一部の生協などでは、カタログ等で「栽培期間中、農薬不使用」という表現をされる場合があります。栽培期間だけではなく、1年を通して、農薬は使いませんのでご安心ください。

また、純米富士酢、富士酢プレミアム、富士玄米黒酢、ピクル酢などの原料米の栽培年度について。現在は平成19年度産の米が発酵、熟成を経て、皆様のお手元に届いています。

 「えっ、そんなに古い米を使ってるんですか?」

と思われるかもしれません。しかし、そうではありません。私どもは新米だけを使って、酢を造っています。

    平成19年秋に収穫した米
           ↓
    平成19年冬から自社精米
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    アルコール発酵(45日程度) 平成20年1月〜3月
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    酢酸発酵(100〜120日程度) 平成21年春から順次
           ↓
    熟成(約1年) 平成22年夏から順次

このように、富士酢製品ができるまでには2年から3年ほどの時間が必要です。つまり、平成23年度産の米が酢になって瓶詰されるのは平成25年頃でしょうか。もちろん、この期間は、在庫量によっても変わりますので、これはあくまで現在の状況からの予想です。

他にも、ご不明な点がありましたら、お気軽にメール(web@iio-jozo.co.jp)いただけますと幸いです。

飯尾醸造の安全な米を使った酢造りは今から48年前に始まりました。農薬全盛期の昭和39年に、おそらく日本で初めて農薬を使わない米作りを始めました。三代目の祖父、輝之助は地元の農家の説得に2年を費やしたと伝え聞いております。その後、自然米酢 富士(現、純米富士酢)が発売されたのが昭和44年。

2013年は、無農薬への取り組みを始めてから節目の50年。食の安全性という概念がほとんどなかった時代から、お客さんのため、栽培してくれる農家の健康のために取り組んできました。だからこそ、これからも、安心して使っていただける酢造りを続けていきます。

             五代目見習い 彰浩