どの農作物にも栽培ごよみがあります。いわば作業マニュアル。
もちろん米作りにも!春の育苗から農閑期までの教え。
ただ平坦地の慣行(農薬&化学肥料)栽培を基準としたものが多く、山間地の農薬不使用、無化学栽培の具体的な内容はありません。
関係機関等の指導も仮説的な物言い…

やはり頼れるのは農夫の経験と勘どころ。

毎年行う一連の作業『天候に左右され仕上がりの良否に大きな差が… 努力が水泡に帰す』これは新米農夫の言い分。
何十年もやってるベテランなら駄農になってしまいます。
気象や環境の変化、またトラブルにも臨機応変に対応し、満点は無理でも合格点に仕上げるのがプロ… うん!僕も早くそうなりたい。

世屋姫棚田

集落棚田

株張り

《田植え後1ヶ月の様子》

目指すは『倒れない稲』 

倒伏は、その後の作業性はもちろん、品質や収穫量、食味まで悪くしてしまいます。
どうするか?… まず苗作りは薄まきで茎の太いもの、田植えも今でいう密を避ける疎植、肥料も窒素過多にしない、台風などの自然現象時には深水管理などなど…。

溝切り1

溝切り2

《中干し中》

そして、今の時期の中干しも重要性が高く適度に行う必要があります。
しかし、ここで矛盾するのが天候。
運良く梅雨の中休みに当たればいいのですが…そう上手くはいきませんね。
溝切りなど手を加え土壌の乾かしに悪戦苦闘!
何とか頭を垂れる登熟期に『コケヒカリ』にならぬよう努めております。

また、中干しの効果は土中のガスを抜き、酸素を入れることで根腐れ防止や張りも良くします。
もう少し掘り下げて言うと、無農薬無化学肥料栽培と化学肥料栽培とでは中干しの意味合いも変わります(理由は長くなるので省略)

そういった一つ一つの工程をその地に合わせ深く理解する事で、農夫も考えの変化と環境に合わせた行動が生まれます。
また作物にとっても『大きなお世話』にならない適度の管理が出来るのかと思います。

まだまだ勉強…個々に合わせた教科書づくりに今もなお迷走中?です。


      米作り担当 伊藤