はじめまして、新人蔵人の三原成三郎です。
和田先輩は頑なに理系だとおっしゃいますが、読書好きなので絶対に文系です。
最近は『ヒトコブラクダ層ぜっと』を読んでいます。

飯尾醸造に仲間入りさせて頂いて3週間が経ちました。
私は酢造りに配属され、和田先輩、相見大先輩、アチェート店長のもとご指導頂いています。
老舗の飯尾醸造、さぞ職人気質の頑固で強面な蔵人ばかりに違いない、と覚悟していましたが、良い意味で想像を裏切られました。皆さん楽しく、親しみやすい方々です。

時々対応に困るクセの強い絡み方をされることもありますが、新人が早く馴染めるように気を配ってくださっていることがよくわかり、大変暖かい職場です。ほんとです。

さて、先日私は酢造りでとても大切な作業をさせて頂きました。写真をご覧ください。

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こちら、皆さんおわかりでしょうか。
創業以来、当蔵に代々伝わる酢酸菌の菌膜です。私がさせて頂いたのは、この酢酸菌の植菌作業です。タンクからタンクへ受け継ぐ大切な仕事を経験させて頂きました。

A4サイズほどの菌膜を掬い、新たに仕込むタンクへ運ぶのです。
(とても難しい掬う作業は相見大先輩がしてくださいました)
菌膜が乾かぬ内に移さねばならず、残念ながら作業中の写真はありません。
代わりに、一面に美しく広がった菌膜を見て感動する三原をどうぞ。

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当蔵の発酵法は静置発酵。
この菌膜の下で時間をかけて発酵が進んでいくのです。

作業後、先輩からどんな気持ちで植菌したか聞かれました。
正直、緊張していて、とにかく沈んだりしないよう気をつけ、
(酢酸菌は酸素がないと生きられないため、沈んでしまうとアウトなのです)
ゆっくりゆっくり丁寧にすることだけ意識していました。
しかしその通りに答えると、それじゃダメだとお叱りを受けました。

「しっかり発酵してくれよ、って祈りながら愛を込めてやるんだよ」

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写真は愛を込める和田先輩です。
自然の原理に任せることの多い発酵法、思い通りにならぬこともあり、日々気を払わねばなりません。
我が子の成長を見守るように、愛と根気を持って接さなければならないのでしょう。

飯尾醸造のお酢には全て、蔵人はじめ販売スタッフの思いがこもっております。
ご賞味頂く際には、特に和田先輩、相見大先輩の愛をご堪能ください。
ゆくゆくは私の愛も加わります。

蔵人 三原成三郎