植菌今日は酢の仕込みがありました。
原料である純米酒と種酢、地下水をタンクに入れて準備OK。

いよいよ酢酸菌の菌膜を移植します。
他のタンク表面で発酵中の菌膜を専用の網ですくいます。


植菌2その膜を液面に浮かべてやります。








植菌3少しずつ少しずつ、慎重に菌膜を浮かべていきます。







植菌42・3日で菌膜は液面全体に広がります。
そして、膜の厚みを増していき、白いちりめん状のものへと成長していきます。

タンクの大きさや季節にもよりますが、3〜4ヶ月をかけて、酢酸菌はアルコール(純米酒)を栄養源として酢を造っていきます。

皆さん、びっくりされるのですが、夏よりも冬の方が早く発酵が進みます。
なぜかというと、液面と内部の温度差が大きければ大きいほど、タンク内で対流が起こりやすくなるからです。

液面付近でできあがった酢は自然に下に沈み、比重の軽いアルコール(純米酒)は液面にあがって酢へと変化する。

人間が考えて行うのではなく、自然にできていく。
発酵の奥深さがここにあります。

                        五代目見習い 彰浩
種酢とは、酢の原料となる酢のこと。殺菌後に瓶詰する製品とは違い、酢酸菌が生きていることが特徴。
酢を仕込む際には、1/3量の種酢をスターターとして使います。
そのため、実際に商品として出荷できるのは、できあがった酢の2/3です。

以前ブームになったカスピ海ヨーグルトも、量が少なくなったら牛乳を足してやると次の日にはヨーグルトができている。これと同じ事かもしれませんね。