麺類が好き!
その中でも私が最も愛する麺はうどんです。

サラリーマン時代にさぬきうどんの本場である高松に何度か出張させていただきました。あるときは、空港から仕事先に着いてすぐ昼食にうどん、夜は小料理屋に連れて行っていただき、シメにうどん。その後、一緒に出張した先輩とうどん、最後に一人でホテルの側でうどん。と一晩に3軒ハシゴしたこともありました。

そんな私が高校3年生から12年間通うお店がココ、こんぴらうどん。(高校を卒業後すぐに上京したので、年に1・2度でしたが)

こんぴらうどんまず、入口のドアに、「うどん専門店 そば、丼物はありません」との文字があります。そして営業時間は、午前11時から15・16時?頃まで。オヤジさんのこだわりがここからも伺えます。そして何より、このお店は富士酢を使ってくださっています。

えっ、うどんに酢? と思われた方、私も同感でした。しかし、今日初めてオヤジさんとカウンター越しに話をして、ただならぬこだわり・熱意で酢の使い方を教わりました。この話は、「続きを読む」で…。

私がいつもオーダーするのがこれ、「しょうゆ」。

こんぴらうどん2なぜかメニューには載っていません。私自身は友達に教えてもらったのですが、なぜ彼がこのメニューにないメニューを知っていたのかは未だに謎です。

話に夢中だったため、ピントがブレブレですが、どんぶりに冷たいうどんが入っています。

その上には大根おろしとネギ。そして左には天カス、右手前がスダチの果汁、右奥が出汁で割った醤油。これを適当に入れた後、お箸でぐちゃぐちゃに混ぜます。そして出来上がりがこれ。

こんぴらうどん3つやつやのうどんに、クタクタにやる気の無くなった天カスがへばりついて、なんか「一体感!」っていうオーラが出てきています。そしてほんのりと爽やかな香りが…。

ここのうどんの特徴は何といっても、くにゃっ、くにゃっ、としたコシ、というか弾力。

ゴリゴリとした固い麺ならカトキチの冷凍うどんで十分ですが、それとは全然違う、筆舌に尽くしがたい食感。間違いなく絶品です!

オヤジさん曰く、「うどんは、小麦粉と塩水だけで作るから、その材料だけ研究すればええからおもしろいで。和食はそうはいかんやろ。いろんな材料使うから。」とのことでしたが、たった10分お話を伺っただけで、その想いが伝わってきました。

例えば…
一時期、宮津の水が悪くなったから市役所の水道課に掛け合った話、とか。
小麦粉でも何年も同じものを注文していると、いつの間にか混ぜ物(多分違う品種の小麦粉とか鮮度の違いのことかと)をするようになるから業者にちゃんと言わなあかん、とか。
塩はイタリアの海塩がうちには合うみたいや、岩塩ではあかんかった、とか。

まだまだコダワリは書きつくせませんが、こんなストーリーを聞きながら食するうどんは、普段何気なく食べるそれとは比べ物にならないくらいの味わいです。

決してお仕着せでない、熱意のこもった話のオヤジさん。その人柄がうどんの食感にあらわれているようです。ゴリゴリしてなくて、くにゃっ、くにゃっ、の…。

今後もこのうどんに隠されたストーリーを少しずつ暴いていくつもりです。その話は私の中に留めておくつもりですが…。

こんぴらうどん 京都府宮津市字鶴賀2057-32 TEL:0772-22-0700

メニュー例 : しょうゆ 650円  お稲荷さん(1個) 100円 など

                     五代目見習い 彰浩

うどんに酢を使う目的は3つあるようです。

1)小麦粉を塩水で捏ね上げるときに使うといい(理由は失念しました)

2)その日初めてうどんを茹でる、っていう新品のお湯に入れると、うどんの表面が荒れない

3)出汁に入れると味がボヤけない(キリっと引き締まる)

だそうです。

蕎麦屋さんではワインビネガーを使われているところが結構あるようですし、酢は食のプロの間では隠れた媚薬なのかもしれません。