≪酢酸菌膜を浮かべる≫
出来たばかりのりんご酒を火入れ(殺菌)したあと、一度室温まで冷まします。その後、種酢(すでに出来上がっているりんご酢)を加え、液面のみヒーターで40度程度に温めます。
通常、酢の仕込みに使う酒はアルコール度数が高いため、水で薄めた後発酵させますが、りんご酢はあえてアルコール発酵を途中で止めることで甘みの残る酒に仕上げました。結果、濃厚で旨味や甘みのある酢ができるのです。濃厚な酢を造るということは、一方で出来上がりの量が少なくなるということです。今回の仕込みは他社の製法の半分量しか出来ません。
準備ができたら、おなじみの創業当時からの酢酸菌膜を浮かべてやります。これで4ヶ月ほどで酢が出来上がる予定です。でも、出来上がった酢は種酢に使う予定ですので、2月にもう一度りんご酒を仕込んだ後、酢酸発酵させます。そして商品として出荷できるのは一年後の予定です。木村さんの作られた貴重なりんごから造るお酢、ご期待ください。
五代目見習い 彰浩