3月11日に始まった、木村秋則さんのりんご5種を使った『にごり林檎酢』の醪(もろみ)が出来上がりました。通常は10日もあればアルコール発酵が終わるのですが、3月に入ってから急に冷え込んできたため、なかなか発酵が進みませんでした。杜氏の藤本が苦労しながら面倒をみて、やっと醪(もろみ)が完成。

次は酢の発酵責任者の相見と瓶詰めなどメカニック担当?の山添が醪(もろみ)を搾ります。

りんご搾り


















りんご搾り2



















≪醪≫

見た目は摩り下ろしりんご。甘いりんごの香りとアルコール発酵時に発生する二酸化炭素のシュワシュワ感が蔵を包みます。

うちの『にごり林檎酢』は日本で唯一、「国産の農薬不使用栽培の完熟りんごだけを使った酢」です。水の一滴も加えませんし、アメリカや中国からドラム缶で輸入する濃縮果汁も使いません。「りんごは農薬で育てる」という言葉を聞いたことがありますが、果物の中でも1、2を争う位、農薬を使わずに作ることが困難だそうです。だからこそ、弊社では昔からポピュラーだったりんご酢を作ってきませんでした。また、私は基本的にりんごは好んで食べませんでした。まして、りんごをズボンに擦ってかぶりつくなんてことも。

と危険性をあおってもしょうがないのですが、やはり安全なものを丁寧に造りたいというのが小さな弊社の考え方。

りんご搾り3


























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≪圧搾≫

このブログではおなじみとなった搾り槽(ふね)で搾っていきます。機械と違って人力で搾るため、搾り過ぎないので嫌な雑味がでてきません。先日もこの槽が現役で動いていることに驚かれたお客様が。酒蔵の事情をよくご存知の方ほど、この作業を喜んでご覧くださいます。

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≪荒走り≫

りんごの醪(もろみ)は年に一回だけ。この写真を撮るとうれしくなります。

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≪醪(もろみ)≫

やっと、醪(もろみ)が出来上がりました。とはいえ、まだまだ先は長い。これから4ヶ月以上かけて酢酸発酵、そして長期熟成。ここからは相見の担当です。

ちなみに杜氏の藤本と酢の責任者の相見の家は斜向かい。回覧板を廻すかのごとく、酒造りから酢造りもバトンタッチされるのでした。

                        五代目見習い 彰浩