暖冬だったということもあり 例年に比べ今年は害虫の数が増えるだろう!
と、予想しておりましたが・・・予想以上でした。

ドロオイ幼虫



















ドロオイムシ!今年は大発生。
5/19〜27に田植えをして頂いた世屋姫神社の棚田にもかなりおります。
しかし今年も健苗を手植えしたという事で、生育が良く食害に負けてません。

ドロオイ幼虫2



















こいつがドロオイムシの正体。
直射日光や天敵を避けるため、自らの糞を身にまとい稲の葉を食害し成長していきます。

ドロオイ繭



















2〜3週間ぐらい幼虫生活、その後は こんな白い繭を作って・・・

蛹



















繭の中は もちろん蛹・・・以前は こんな奴ら、気持ち悪過ぎて触るのダメでしたが、慣れって怖いもんです・・・今は平気。

ニーム1



















《ニーム作り》

これはニームという害虫対策に使うもの。
ニームは別名インドセンダンとかいうインドの熱帯樹木で、この葉と種子の抽出液が害虫に対して忌避効果があり!という事。
完成品を買うと高いんです・・・これが。
だから今年は原料の葉と種子を買い、作る事にしました。

このニームも、もちろん無農薬栽培。また無化学肥料の証明書付とのこと・・・ていうか放ったらかし栽培?
まー、安全な物には変わりないようです。

これを使っている ある農家さんにいろいろとコツを聞き作っていきます。

ニーム2



















ニーム3



















抽出には水と焼酎を使います。
焼酎などのアルコール分を入れた方が、より抽出できるとか。あと煮込むのはダメ!効果が半減するらしい・・・何となく解るような。

ニーム4



















実は今回のニーム作り、何軒かの契約農家さん達が、毎年 カメムシに悩まされておられるために作ったもの。
遅効性のため早めに作り、発生前に予備散布していただく予定でした。
が、標高500mに位置する別の契約農家さん達の棚田、ドロオイムシの猛威にお手上げ状態。壊滅的な田んぼも・・・急遽、このニームを撒く事に。

ニーム散布1



















ニーム散布2



















順調に生育しておれば 分けつが進み、草丈も伸び土壌表面もそろそろ見えなくなる頃でしょうが、生育は完全に停滞しています。
ドロオイムシが多発した原因は・・・暖冬だった、山間部で栽培してる、5〜6月あまり気温が高くなかったなど?
またナント言っても窒素分の多い田んぼに、かなりコイツは敏感なようです。

正直ここまでやられると、手の打ちようがない・・・こんな事なら、せめてニームを予備散布してもらうべきだった!と、今になって思います。
基本的に発生してからでは遅い・・・

慣行栽培なら苗作りの際に薬剤を使い コトは済むのですが、無農薬となれば大変です。
昔の人達は植物の葉を使い、田んぼの中に入って払い落としたとか?

・・・再生紙マルチ・・・入れません。
畦から届く所までは、長い釣竿や竹などを使って払い落とせますが、大きな田んぼばかりなので中の方は無理。

ニーム散布3



















ここまでの被害になればニームの効力に期待するよりも、水圧で吹き飛ばすのが一番でしょう。
一度落ちた幼虫が よじ登って来れないのであれば、これしかないって感じです。

この作業は2週間程前に行いました。ここ最近は、ピークも過ぎ だいぶ減少してきたかのように見えます。
しかし これだけの被害、かなり減収になると思います。

ここから稲達がどこまで生長してくれるかわかりませんが、とりあえず今は農家さん達と見守っていきたいと思います。


                   米作り担当 伊藤