実はカレー好きです。学生の頃はタマネギを2時間ほど、あめ色になるまで炒めた後、ガラムマサラを入れてルーを作り、手羽でとったスープでまじめに作っていたころもあります。そんな私が一番好きなのは東銀座にあるナイルレストランのムルギーランチ。辛めでトロトロ感のあるルーにマッシュポテトの甘み、骨からすーっと剥がれるチキンの旨味、黄色いご飯を、それこそ、ぐっちゃぐちゃに混ぜて流し込むと、辛くて甘くて美味い、スパイシー混ぜご飯になります。食べ進むうちにだんだん辛味で頭がかゆくなってきたのを憶えています。それでも、また通ってしまう、中毒性の高いカレーでした。

さて、宮津にいるとそんな美味いカレーを食べる機会はないわけで、そんなときに出会ったのが、はるこま屋いしがきかりー

はるこま屋は、知る人ぞ知るというか、美味い味噌を求めているなら避けては通れない、日本で最も原料にこだわった、すばらしい味噌屋さん。「最も美味い」ではなく「最も原料にこだわった」とあえて書いたのは、味噌は地域性が非常に高い調味料だから。甘いのやらしょっぱいのやら、米麹に麦麹、豆麹、麹歩合も大きな違いがあります。まぁ、圧倒的にええ原料使えば美味い味噌ができるのは当然のことですので、日本で最も美味いと言ってしまいたいくらいの味噌。ウチが掲載いただいた雑誌dancyuプラスにも味噌屋の代表として掲載されていました。

話が長くなりましたが、そのはるこま屋がカレーを作っていたんです、しかも石垣牛のカレー。沖縄好きで、且つ先月、石垣に行ってきた者としては試したくなるわけで。

いしがきかりー



















≪いしがきかりー≫

なんと、牛肉の部位別に5種類のラインナップ。さすが、原料に並々ならぬこだわりのあるはるこま屋さん。マニアックです。

とはいえ、個人的にはあんまり牛肉のカレーは得意ではありません。出汁が出尽くしたカスカスの肉片には魅力が感じられないのが理由です。

いしがきかりー2



















≪ルー≫

まず、肉片というより、肉塊の大きさ。これが2つ入っていました。HPによると内容量260gのうち、肉が60gだそうな。存在感があります。

いしがきかりー3



















≪食べてみると≫

これはレトルトとは次元の違うカレー。ナイルレストランのムルギーランチと比べるのことはできませんが、はっきり言って、そのへんの(といっても、宮津ではなく東京の)お店で食べるカレーよりはるかに美味い。そして特筆すべきはこの肉塊。パサパサ、カスカス感は皆無です。おそらく、カレーをパックに詰める直前にバターでさっと火を入れたのでは? しっとり、トロットロのジューシーな石垣牛。

ルーは比較的サラサラで細かい人参の赤色がはっきりとわかります。価格はスーパーで売っているものと比べるともちろん高価ですが、原料も製法も全て別物。そんなものと一緒にするほうが失礼な話で。レストランに行ったつもりで召し上がってはいかがでしょうか。

ちなみに昨日の昼はこんぴらうどんで天カレーつけめん。暑い夏には、熱々のカレー汁に冷たいうどんをつけて食べるのもおススメです。

                         五代目見習い 彰浩