今朝は寒かった。家を出ると車のフロントガラスには一面の雪。寒いわけです。固まった雪を払いのけるだけで、指はかじかんでしまいました。

さて、寒くなってくると酢酸発酵が順調に進みます。酒は雑菌汚染の危険が少ない冬場に仕込みますが、お酢は年中、仕込むことができます。ただ、外気温が低くなるほど、液面(40℃)と内部の温度差が大きくなるため、対流が活発化して発酵のスピードは速くなるのです。

というわけで、富士玄米黒酢の仕込みの様子をご紹介します。

富士玄米黒酢の植菌





























≪発酵タンク≫

まずはこちらのタンクに3つの原料を入れます。種酢、玄米醪(酒)、仕込水。

種酢とは、すでに出来上がった酢のこと。これを入れることで、発酵液内のpHが酸性に傾き、雑菌が繁殖できない環境になります。

次に、玄米醪(酒)は酢酸菌にとってのエサ。アルコールを食べて酢酸へと変換するのです。

また、アルコール度数を薄める目的で、加水します。この水は水道水ではなく、酒蔵の井戸水をトラックで運搬してきます。といっても、宮津の水道水は十分、美味しいのですが。

このように、原材料の準備ができたところで、蔵つきの酢酸菌を浮かべ、酢酸発酵が始まります。

富士玄米黒酢の植菌2















白く浮いているものは、玄米から分離した胚芽です。

富士玄米黒酢の植菌3



















富士玄米黒酢の植菌4



















富士玄米黒酢の植菌5



















富士玄米黒酢の植菌6



















富士玄米黒酢の植菌7



















富士玄米黒酢の植菌8



















≪植菌の様子≫

発酵責任者の相見が酢酸菌を移植します。

現在、発酵中の酢酸菌をA4サイズの網ですくい取り、この液面にそーっと、そーっと浮かべます。

後は膜が全体に広がるまで、1週間程度くらい待ちます。かなり寒くなってきたので、早く発酵のとりつけが進み、菌膜が発熱してくれるといいのですが。


それと、昨日ご案内した「米の発酵」ワークショップについての補足を。こちらでも案内されています。ぜひご覧ください。

                      五代目見習い 彰浩