だいぶ前になりますが、12月6日、7日の両日、京都の伝統野菜すぐきから造る漬物、すぐき漬けの現場を見せていただきました。

土曜日の夕方と日曜日の早朝の2回お邪魔したのですが、タイミングよく?この冬一番の冷え込みでした。底冷えをモロに体験。ホンマに寒かった。

夕方、京都大学の大石さんが北山駅に迎えにきてくださり、見学はスタート。まずはすぐき畑へ直行。ちなみに、すぐきとはかぶらの一種です。甘味がしっかり乗った品種だからこそ、すぐき漬けができるそうな。そのあたりはぼちぼち書いていきます。


すぐきづくり見学






























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≪すぐき畑≫

夕方の4時過ぎだったのですが、日が落ちる寸前でした。この時点ではあれほどの寒さを経験するとは思ってもみなかったわけで。

一人で見せてもらったわけではなく、こんなカメラ小僧と一緒でした。年上のカメラ小僧。とかいったら怒られるなぁ。

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≪やまけんさん≫

この人、ホンマに楽しそうな顔してました。カメラ小僧と言われても仕方ないやろ。やまけんブログでも紹介されるはずですが、まずはその前座として私めが。

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≪すぐき漬け≫

これがすぐき漬け。簡単に言うと、かぶらに塩をして重石で脱水後、高温で乳酸発酵させた漬物。簡単に言うのが申し訳ないような作り方ですが。

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≪田鶴さん≫

賀茂ナス栽培で有名な農家さん。瓢亭やイル・ギオットーネなど、京都の有名な料理屋さんで使われています。(なんと、銀座の天ぷら近藤でも使われてるそうです!)冬はすぐきを栽培し、収穫したものだけを使って漬物を造られています。大石さんの話によると、すぐきだけは漬物屋が造れない漬物だそうな。

たしかに、京都の漬物というとほとんどが浅漬け。時間をかけて乳酸発酵するというのはあまり聞いたことがありません。京都というと漬物の本場というイメージがありますが、値段が高い割にあまり…。その理由は原材料の表示をみてもらうとわかります。添加物が多すぎる。浅漬けというよりは添加物漬けに思えて。もちろん、まじめにされてるところもあるはずですが。それに、京野菜といっても、京都近郊の街(滋賀など)で作られてるものが多いそうです。

それはそうと、漬物の原料から造るという意味においては、米作りをしている私たちにとってはなんともうれしくなるわけで。やっぱり原料の素性を知っているというのは加工する側としては大切なこと。よそを見せてもらうからこそ、あらためて自分たちがやっていること、やるべきことに気づくことができます。

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≪すぐきの山≫

見学させてもらった順番は無視して、作業工程順にご紹介。まずは、かぶらの下処理。大石さんの話によると、縦に走った繊維に沿って、固い部分?を包丁で落としていきます。ちなみにこれが一日分の量。収穫→下処理→塩抜き…という作業が1か月続くそうな。この時点で朝6時。私が伺った5時半時点で作業は始まっていました。肺をはじめ、内蔵全部が縮こまっているのを実感するほどの寒さでした。

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≪味見≫

すぐきはたしかに甘かった。根菜類は特に寒くなると繊維が柔らかくなって糖度がしっかりのってきます。それは祖母が育てているダイコンやかぶらも同様。生で食べても美味しかったです。これだけ甘いと発酵に向いているはずやわ。

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≪皮むき≫

ピーラーで一個ずつ皮を剥いていきます。単純な作業ですが量が多いので大変。京大の農耕ネット(大石さんが院生時代に立ち上げたサークル)の学生君も体験に来ていました。ちなみに、農耕ネットは飯尾醸造の米作りを手伝いに来てくれています。

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≪塩漬け≫

皮をむいたすぐき(葉はつけたまま)を木桶に入れて塩を振ります。浸透圧と重石の物理的な圧力によって脱水するとともに、耐塩性細菌(乳酸菌など)しか生きていけない環境をつくってやるわけで。乳酸菌は葉っぱにいるそうで、白い身の部分だけではなかなか難しいようです。また、昔はすぐき漬けとは葉を食べるものだったとか。大石さんの話。

この大きな木桶を使った脱水は半日か一日だけ。その後、小さな容器に移して約1週間の脱水作業。それも全部手作業。この続きはまた後日。

                      五代目見習い 彰浩