また、槽(フネ)の話。

搾り終わった後は酒袋をはずし、すぐに洗い、バラします。重石も竹でできた内枠も。普段、見学に来られたお客様にはこの状態のものを見ていただくことが多いわけで。

槽


















≪普段、使わないとき≫

すべての部品置場は決まっています。ひとつひとつに番号がふってあるため、それに従って管理・使用します。ちなみに、搾るときにふんばる床材、実は・・・

搾り18

















≪床材≫

実は、ボーリングのレーンなんです。たしかに重いボールがどーんと落ちても大丈夫なくらい丈夫なわけで。これ、数十年前、宮津にボーリング場があって、というかつぶれた時にもらってきたものと推察します。

槽2
































槽3































槽4































≪槽の内部≫

底には酢が流れ落ちる溝が切ってあります。また、側面には竹の板をはめる順番が書いてあります。これ、何十年も使ってても剥がれたり、薄まったりしていないんです。

槽5

















槽6

















≪竹の板≫

槽の側面に張る竹の板、これはすべて竹で作られています。鉄などの金属の場合、すぐに錆びてしまうため、お酢やの道具は昔から木材が使われてきました。

槽7































≪手桶≫

酒袋にもろみを入れるときは2つの手桶を使っています。これらには柿渋を塗っているため、奥の桶とは全く色が異なります。

幸い、近所に小さな桶のタガをはめたり、メンテナンスしてくれる人がいらっしゃるので、細かい修理などは助かっています。ただ、今後のことを考えると、こういう職人の後継者育成にも国が関わってもらえることを期待しています。

                     五代目見習い 彰浩