週刊朝日の増刊号、allora という雑誌に掲載していただきました、の後編。

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≪表紙≫

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≪これさえあればの調味料 さしすせそ≫

私にとってはすごく興味深い特集でした。

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さしすせそ、の順番に2ページずつ掲載されていますが、今日は「し」「せ」「そ」について。


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≪し≫

近年、もっとも種類が増えた調味料は塩だと思います。というのも自然塩ブームと外国ものの輸入。

私自身、気にしているのは使い方。もちろん、NaCl(塩化ナトリウム)で表されるようなミネラルの入っていない塩は論外ですが。

例えばサラダに使う場合。これは、大粒のものがお気に入りです。生野菜にヴィネガーとオイルをかけて、最後に塩をパラパラっと。このように、あらかじめ混ぜない方が食べるときに楽しい。特に塩の大きな結晶がときどきガリッと歯にあたるのが心地いい。万願寺とうがらしとか野菜のグリルなんかも、こういう塩が食感のアクセントになるからお勧めです。

煮物とかスープとか、溶かす場合はしっとりしたものがいいかもしれませんね。

また、MgCl2(塩化マグネシウム)やCaCl2(塩化カルシウム)などが多い塩はほのかな苦みがあるため、しょっぱいだけじゃなく、奥行きのある味わいになります。そういう意味では、ミネラルの多い塩はシンプルな味付けの際に重宝するはず。


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≪せ≫

しょうゆも使い方しだい。

刺身につけるのなら、火入れしていない生醤油とかが好みです。ただ、醤油は味噌と並んで地域性の強い調味料。九州や四国、中国地方のように甘い醤油もあります。育った家庭の味が一番のお気に入りという方も多いのでは?

このページでなるほどと思ったのが、タイトルの「かける、つける、煮る、焦がす」。焦がすのにむいてる醤油。考えたこともありませんでした。さて、どの醤油がいいのでしょう。

ちなみに、ここに掲載されている醤油、私はすべて味を見たことがあります。醤油業界では広く知られた蔵元ばかり。

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≪そ≫

味噌は地域や原料、麹の種類や歩合によって味が大きく異なります。同じ米味噌でも麹歩合によって甘くも塩っけを強くすることもできます。飯尾家の味噌は今でも祖母の手造りですが、昔は麹も自宅で造っていたとのこと。種麹を買ってきて、コタツで保温してたとか。

味噌を選ぶ際に気をつけていただきたいこと。

 1.原材料の素性(味噌に限らずですが)

  一般的に外国産よりも国産大豆の方がタンパク含量が多いため、旨みも強い

 2.原材料表示欄に「アルコール」とか「酒精」と書いてないこと

  これ、酵母等の繁殖を抑えるための殺菌を目的に使われています。
  シンプルに、「大豆・麹・塩」と書かれているものをお勧めします。

私は味噌や醤油についてはあまり詳しくないので、補足とかありましたらぜひ教えてください(醤油屋さん、味噌屋さんへ)。

まずは、きちんと造られた調味料を揃えて料理してみてください。価格は大手メーカーのものよりも高いですが、使う量は少なくて済みます。トータルのコストはそれほどの差はないはずです。

                      五代目見習い 彰浩