毎年1月から3月までは、酢の原料となる酒の仕込みを専用の蔵で行います。
めでたい年明けの一番仕事が、木村秋則さんの奇跡の林檎だけで造る「にごり林檎酢」。
今年は2,300kg、6,500個以上の林檎が木村さんから届きました。
こんなに多くの林檎をお分けいただけること自体が奇跡。
1入荷箱横















2林檎箱詰横

















形や大きさ、傷の付いてしまった“加工用”をいただいているのですが、その差はパッと見では分かりません。
ヘタ近くに小さな切り傷があるの見えますか?

3林檎単体横

















それ以外は至って健康そのもの。木村さん曰く「傷の周りが美味しい」とのこと。

ここからは仕込み作業。
林檎に恥じない造りに、蔵人一同、心して取り組みます。

実は今年の仕込み、いつもとは違います。
例年は林檎を一度に全部すりおろしてから、酵母を入れていました。
手間要らずなのですが、酵母が全体に繁殖するまでに時間が必要なので、
雑菌に汚染される心配が残りました。
で、今回選択した製造法は三段仕込み。日本酒では一般的に行われています。
まず1/3だけ林檎をすりおろして酵母を入れるので、短時間で充分に繁殖します。
酵母が活発で餌(林檎に含まれる糖)を欲しているところに、次の1/3のすりおろし林檎を投入する。
(二段目)これを繰り返します。(三段目)
これだと雑菌が繁殖する間を与えず、より確実にアルコール発酵が進みます。

4林檎洗浄縦
























ヘタと底の窪みの埃を洗い流します。
とは言え、農薬を一切使用していませんので安心です。

5ヘタ取り縦全景
























6ヘタ取り横
















7ヘタ取り後横

















えぐみやアクが残ったり、発酵に悪影響が出るかもしれませんので、ヘタを除きます。一般的にジュースを絞る時にヘタは取り除かないと思いますが・・・。
この一手間惜しまないのが飯尾醸造!人海戦術で頑張ります。

8粉砕縦全景
























9粉砕横
















1個1個(正確には1/2個づつですが)すりおろします。

11酵母横
















白い線が酵母。

12酒母5日経過横
















酵母を入れてから5日後。表面が炭酸ガスで盛り上がり、ヒビ割れています。(ちょっと分かりにくいかも知れません)

13タンク拭き取り縦























飛び散った林檎は雑菌繁殖の元。綺麗に拭き取ります。

14二段目横
















充分に繁殖が進んでいるのを確認して、2回目のすりおろし林檎の投入。

15種横
















奇跡の林檎の種。
ここから林檎を再生産できるのでしょうか?
無謀な、いえ訂正します。果敢なチャレンジ!

                            秋山