今日は10時から17時まで大阪でセミナーを受けてました。3年ほど前に教わって感銘を受けた先生の話を久し振りに聴きました。いろんな気づきがあり、充実した時間を過ごすことができました。無理やり、前日に申し込んでよかった。

さて、このブログは東京へ向かう新幹線で書いています。

一昨日、昨日の2日間、木村さんのリンゴだけを使った『にごり林檎酢』のアルコール発酵が終わり、搾りの作業だったのです。この作業は蔵見学でもよっぽどタイミングがよくないと見ていただけません。発酵の具合で変動するから、「○日に来てください」とか、取材や見学の日程に合わせることは絶対に無理なんです。

林檎酒の搾り


林檎酒の搾り2


≪りんごのもろみ≫

酒と酒粕に分ける前のもろみです。擦り下ろしただけで、水を一滴も加えていませんので、固形分がかなり多いのが特徴。だからこそ、林檎のエキスが詰まった、どこにもない贅沢で濃厚な酢になるのです。


林檎酒の搾り3


林檎酒の搾り4


≪もろみをキツネに移す≫

これは、うちの有能なメカニックである山添の仕事。蔵の中では、ときおり「山添工務店にお願いしよか」というくらい、いろんな技術を持っている、頼りになる存在。この日は搾りの仕事です。

ちなみに、キツネとは先の細くなった木桶のこと。作業性が考えられています。タガがゆるむと宮津の桶屋さんに持ち込んで修理してもらいます。いずれは、これも山添の仕事になるのでしょうか?

林檎酒の搾り5


林檎酒の搾り6


林檎酒の搾り7


≪酒袋に入れて濾す≫

山添とペアで仕事をするのが相見。酢酸発酵の責任者、いわば酢蔵の杜氏です。発酵中は表面の酢酸菌膜の様子で発酵の具合を確かめる、彼らのトップブリーダー。醸して20年以上のベテランです。

この仕事は一番下の段は腰をくの字に曲げての作業が続くので大変。入社したころは私もやりましたが、慣れないと時間がかかったり、液が漏れだしたり、コツを掴むまで時間がかかります。

そして、数時間置いて、自重である程度搾れたら、いよいよ重石を載せていきます。これは連続写真を見てください。

林檎酒の搾り8


林檎酒の搾り9


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≪重石を載せる≫

4人がかりで、次々に載せていきます。

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≪舟口≫

チョロチョロと林檎酒が出てきます。2トン強の林檎からとれる酒は1,000リットルちょっと。

今日の作業はここまで。翌日は4人がかりで更に圧力をかけていきます。とはいえ、あくまで人力なので、搾り過ぎることがないため、苦味やえぐみなどのいやな味がしないはず。その分、搾れる量は少ないのですが。これも、ええ酢を造るために大切なこと。

この次の写真はパソコンにデータが入ってないので、出張から戻り次第、更新します。

                    五代目見習い 彰浩