先日、カメラマンの神崎さんにお願いして、2日間に渡って酒蔵仕事を撮影してもらいました。そのデータの中から一部、ご紹介します。

酒蔵の様子


酒蔵の様子2


≪酒蔵の様子≫

以前にも私が撮った写真で紹介していますが、やはりプロの写真は違います。

では、米の蒸しあがりから麹室へ麹を引き込むところまでを。

蒸しあがり


麹造り


≪米の蒸しあがり≫

甑(こしき)と呼ばれる蒸し器を使って、約200kgの酒米(五百万石)を蒸し上げます。この米はもちろん、棚田で農薬を使わずに栽培したもの。

外硬内軟と呼ばれる蒸しあがりは、麹にしたときにパラパラとほぐれ、麹菌の菌糸が米の内部に入り易くするため。

また、米を蒸す理由は2つ。まずは、米のデンプンを麹菌の糖化酵素(アミラーゼ)が糖に分解できるための、いわば下準備。次に、生米に付着した雑菌を殺す働きもあります。

麹造り2


麹造り3


≪冷ます≫

蒸し米を広げ、均等に冷ましたら、いよいよ「もやし」と呼ばれる種麹を振っていきます。

麹造り4


麹造り5


≪種切り≫

この作業を麹室(むろ)で行う蔵が多いようです。ただ、うちでは室の中を清潔に保つためなど、いくつかの理由から、室の外で行います。

麹造り6


麹造り7


麹造り8


≪まんべんなく≫

米ひと粒ひと粒に、麹菌が付着するよう、とはいえ、米粒を潰さないように混ぜていきます。

麹造り9


麹造り10


麹造り11


麹造り12


≪引き込み≫

種付けをして、蒸し米の温度が適温まで下がると、すぐに麹室に引き込みます。このときの温度が重要。とはいえ、温度計を使うわけではなく、麹担当の今井の手と外気温など、これまでの経験と勘で判断します。

酒蔵の仕事は一般のお客様にはなかなかご覧いただくことができません。その分、このブログで詳細をお伝えします。では、続きは、また後日。

追記
こういう写真は酒蔵だけでなく、酢蔵でも必要。酢酸菌の菌膜を植えるところや発酵の様子、搾り槽(ふね)で出来上がった酢を搾る様子、出汁をひくところなどなど。また神崎さんにお願いするつもりです。素晴らしい写真をありがとうございました。

                    五代目見習い 彰浩