雨が降らないピーカンな天気が続いております。用水路の水位が日に日に下がっており水不足の問題が。稲作農家にとって水は死活問題・・・水の遣り取りで農家同士の人間関係が崩れた事例はよく耳にします。

まだ、しばらく続く水管理・・・上手くやっていきたいものですが。

福井大野視察1


















さて、先週末は富士酢の原料米を栽培して頂いている農家さん達、関係機関の職員さん達と福井県大野市へ有機栽培田の視察に行って参りました。

城下町 大野市といえば、里芋が県下有数の産地。また、名水の里としても知られ、町の至る所に湧水があり、その昔 殿様に献上したとされる御清水(おしょうず)は、約400年の伝統を持つ湧水とか。さぞや、水稲栽培には最適な土地柄なのでしょう。

そこで有機栽培を始めて40年という高見さん。現在2町歩の田畑で米や芋の栽培をされております。

米の品種は、コシヒカリと やはり五百万石との事(大野市は五百万石の栽培が全国20%の生産量で種籾としての栽培も)


早速、ご自宅にお邪魔し ご指導いただきました。

福井大野視察2


















まず、地球上の生物全てが土に養われてること・・・身土不二(仏教用語)の考えから。
高見さんは、環境はもちろん 食育、食の安全を考えたうえで土は切り離せないもの。健康な土が、作物、動物、人の健康を支えているとのこと。

じゃ〜、健康な土とは?

化学肥料を使用した土壌は?・・・
有機肥料が微生物によって無機化し作物が吸収するまで・・・
三大栄養素の窒素、リン酸、カリ以外の多量元素(カルシウム、マグネシウム、イオウ・・・)微量要素(鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素・・・)の必要性は? などの話を。

とはいえ、どれも目には見えないものばかりですから、理解するのは大変! 難しい勉強です。

福井大野視察3


















福井大野視察4


















《圃場の視察》

今の稲の状態やあるべき姿を具体的に説明していただきました。


育苗の話では、種子消毒に酵母菌を! 培養した液に種籾を浸けると病原菌の繁殖を抑える効果が。また籾の周りに付着した酵母菌の働きで苗の生育も良くなるとか?

何件かの良い事例があるなら試してみたいものですが。

福井大野視察5


















《管理機》

高見さんも雑草対策にはチェーン除草の導入を。必要な時期に週3回はこの管理機に自作のチェーンを取り付け田んぼに入っておられるそうです。

福井大野視察7
























《高見 高央さん》

昔は、豊富にあった魚(ニシン)、周辺に自生したススキなどを田んぼへ入れ、肥料形態から考えても 理に適った農業をしていた。
昔の農業を科学的に分析して実践するのが有機農業と。


県外にも農業指導に出向かれ、ここ数年はお隣りの京丹後市にも足を運ばれてます。
また、こちらの圃場も見ていただく事をお願いし帰路へ。

高見さん 大変お忙しい中、本当にありがとうございました。


             
               米作り担当 伊藤