アジにイワシ、コハダ、そしてサバ。青い魚が好き。濃い脂を酢で締めることでさっぱりさせつつ、より速く旨みを引き出す。世界中にマリネという調理法があるけど、先人の知恵ってほんまに偉大。

というわけで、私の中でのトップオブ鯖寿司を紹介します。

朽木旭屋の鯖寿司


朽木旭屋の鯖寿司2


≪朽木旭屋の鯖寿司≫

朽木旭屋のサイトにはこう書いてあります。

   朽木旭屋には、他店にはまね出来ない大吟熟成仕込みが有る。
   それは、すべての素材が最高品質のなせる技。


京都には名店と言われる鯖寿司のお店がいくつもある。もちろん、味の好みは人によって異なるからどれが美味しいというのはあくまで主観。ただひとつ言えること、それは、

 朽木旭屋ほど原材料に吟味を重ねているお店はない

鯖寿司やからええ鯖をつこてるお店はいくつもあるけど、米や昆布、砂糖、酢に至るまで、ここまでやってるお店はありません、と断言しておきます。しかも、この5年の間に酢の加減も大きく変えてきています。「昔ながらのレシピを大事に守っています」という老舗とは対極。さらにさらに美味しく、という考え。

朽木旭屋の鯖寿司3


朽木旭屋の鯖寿司4


≪松 2,700円≫

実は私がいちばん好きなのが、これ。
いちばん安いけど、鯖のこの厚み。
わかります?

白板昆布ごしに透けてみえる鯖の玉虫色がかった銀。鯖の厚み。鯖寿司にありがちな、「鯖は美味しいけど、このご飯はなぁ・・・」のとは別次元。

これに少し手を加えてもまた美味しい。
昆布をはずして鯖だけを取り出し、熱したフライパンで皮目だけに焼き目をつけてやる。表面の脂が活性化して、ほんのりあったかくなったらご飯の上に戻してスダチをちゅっと。

  ・・・

何も言わず、よく噛んで召し上がれ。


今回、ちょっと贅沢をして上等なのも注文してみました。

朽木旭屋の鯖寿司5


朽木旭屋の鯖寿司6


≪極 5,500円≫

さらにさらに肉厚な鯖は龍飛と呼ばれる昆布に包まれて、しずかに旨みの相乗効果を演出しています。肉食系男子にはたまらない脂のファンタジー。ドコサヘキサエン酸カーニバルやー。

そりゃあ美味しいです。
贅沢至極。
ただ、こっちはホンマに脂のりのりやから20代までの男子が好む味かも。

ええ鯖を手に入れるために九州とかいろんな漁港に足を運んで漁師さんと絆を深めると聞きました。「ええのん捕れた」と船の上から電話をもらい、滋賀から九州までプリウスで飛んでって分けてもらうんです、とも聞きました。人任せではなく自分の目利きで、というやり方は大いに勉強させてもらっています。

ちなみに、朽木旭屋さんでは10年以上前から富士酢製品を使っていただいております。今現在、酢飯には富士玄米黒酢と富士酢プレミアム、それに少しよその酢が使われているらしい。はやいこと富士酢だけにしてもらえるとええんですが、それはこれからのお楽しみ。

これを召し上がる際の注意事項がひとつ。

必ず常温に2時間以上置いてから召し上がってください。酢飯が冷たいと、どんな美味しい鯖寿司でも全然美味しく感じません。もったいないですから。

もうひとつ。鯖寿司はできたてよりも一日経った方が美味しい。これは酢飯に鯖の旨みがのって一体化するから。

朽木旭屋さんはJR京都伊勢丹地下2階や高台寺そばにも出店されています。京都旅行のおみやげはこれですな。

ちなみにお取り寄せはこちらから。いちばん上等なのは真幻 12,600円なり。ご主人いわく、「びっくりするほど気に入っていただく方と、脂多すぎやでと敬遠される方にはっきりわかれますわ」と。正直な方です。この人のつくる鯖寿司は信用できます。

      五代目 彰浩