今号のテーマは「伝えたい味。」。

自遊人


≪表紙≫

食の欧米化や地域独自性の衰退によって本来、次の世代に伝わっていくべき味の伝承が難しくなってきています。若い人たちが東京など都市部に集中して住んでいる以上、避けられないことかもしれません。

そんな現状を憂いてか、こんなすばらしい特集が組まれました。そのひとつに「日本の伝統、調味料。」ページがあります。

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≪掲載記事≫

味噌や醤油、みりん、砂糖、塩とともに酢の醸造元として紹介いただきました。加工食品の品質は下記の方程式で表すことができます。

  加工食品の品質 = 原材料(質×量) × 造り方

当たり前の話ですが、いい原料をたっぷり使い、手間と時間をかけて造れば当たり前に美味しくできます。ただし、それ以外に私自身が大事にしていることがひとつ。発酵調味料においては伝統製法で造るということ。

味噌、醤油、みりん、酢、日本酒などの日本古来の発酵食品製造において麹(糀)はなくてはならないものです。この麹を機械・設備で造ることはもはや伝統製法とは言えないのではないでしょうか。これは味の良し悪しとは別の次元であり、あくまで私見です。生産者だからこその考えかもしれません。

少なくとも製品だけではなく、製造工程もお客様や取引先様、メディアの皆様にしっかりご覧いただける蔵であり続けたいと考えています。今号を読んで、そんな想いを新たに新年度を迎えたのでした。

       五代目 彰浩