先週の台風通過で棚田がある上世屋でも土砂崩れや川の氾濫、用水路にも影響が出ました。
しかし田んぼの稲達は出穂して間がなく倒伏は免れました。
何より人的な被害へつながるものはなく ひと安心です。
こちらが激しかったのは夜中のこと。屋根や外壁へ叩きつける強烈な風や雨音を耳にすると不安も募ります。
我が家は? 田んぼは? そして、見学は?
実は、このタイミングで翌朝から静岡行きを予定していたのでした。
あるお宅へ・・・いや、オタクへお邪魔するために。
≪自然農法技術交流会≫
今回の見学は、富士酢の原料米を作る農家さん達も同行し賑やかな旅です。
天候の方も予想に反して道中は終始 穏やかで助かりました。どうやら早朝に日本海へ抜けたようです。
なんとか無事に会場へ到着。
≪講師 松下明弘さん≫
静岡の藤枝市で有機米を栽培されておられます。著書「ロジカルな田んぼ」の反響がすごく、他府県からも講演依頼や農業指導が殺到しています。
私もこの本を熟読した1人。ご本人が今に至る経緯や取り巻く方々との関わり、課題となる雑草への視点、肥料作りの話しなどが具体的に書かれており、米作りに携わる者なら至高の一冊。
≪圃場見学≫
松下さんの圃場面積は約10haで、酒米の山田錦や耐暑性の高いにこまるなど6品種、また亀の尾や竹成、愛国、関取、神力などといった聞き慣れない古きものも栽培され、アンチ・コシヒカリの可能性ある品種の研究も。
あと赤や黒、黄、白といった色彩豊かな古代種や珍しい品種も趣味として作る、まさに正真正銘の稲オタクです。
≪カミアカリ≫
そして見学の目玉となる田んぼへ。
平成10年に松下さん自身がコシヒカリの田んぼから突然変異体を発見し、数年かけ純系選抜という手法で固定し、農水省へ品種登録を行い、平成20年に認定された稲です。
もうここまでくれば、ほぼ神の領域です。
特徴は胚芽が通常の3〜4倍あること。精米すると胚芽部分の栄養価も削られてしまうため「玄米食専用」のお米です。
さすがにこの稲には皆食いつきました。
≪害虫…ここでは益虫?≫
畦側の稲や用水路で目につく物体は?
この鮮やかさと毒々しさの正体はジャンボタニシの卵。
専門家曰く、天敵から身を守るための警戒色らしいです。
本来、食用目的で日本に入ってきた生物。今や水田では稲を食害する厄介者。
以前は松下さんも見つけ次第叩きつけ駆除されてたようですが、適度の数なら除草の手助けになると・・・適度の数ってどれくらいだろう?これも感覚的なことだろう。
≪行きつけの居酒屋で夕食≫
講義を終えた後も、お疲れのところ我々にお付き合いくださりました。
イメージ通りの明るく気さくな方で、地酒片手に稲作話しは尽きません。
松下さんの酒米も全て地元の酒蔵へおろされ、期間限定で「純米大吟醸松下米40」「純米吟醸松下米50」 といった、これぞ日本酒テロワール!も造られ販売されております(数字は精米歩合)
これには、さすがにご本人も責任の重さを感じられたよう「俺がこけたらみんなこけちゃうから!」と。
また逆に「まぁ〜、嬉しさ半分、プレッシャー半分かな」とプロ農家としての使命感も。
今回、本や話の内容は 「化学肥料や農薬という魔法の資材が長年使われ続け 当たり前の存在となり、日本の農家から思考力をうばってしまった」
そういった慣行栽培での常識に疑問を抱くようになったきっかけ、また具体的には 除草から抑草への発想転換、適した反収と肥料計算、米の食味と風味について、昔の有機との違いなどなど。
まだまだロジカルでディープな話しもありますが 今回は省略を!
農業も環境や土質などによってやり方は千差万別。いかにその土地柄と向き合って作るか。
松下さんの有機農業の定義は「自然の摂理に逆らわないこと。様々な生き物の有機的つながりをこわさないよう、人も自然の循環の中で動くこと」
高めていきたい観察力&洞察力、日々精進です。
松下さん、長坂さんお忙しいところ本当にありがとうございました。
米作り担当 伊藤
しかし田んぼの稲達は出穂して間がなく倒伏は免れました。
何より人的な被害へつながるものはなく ひと安心です。
こちらが激しかったのは夜中のこと。屋根や外壁へ叩きつける強烈な風や雨音を耳にすると不安も募ります。
我が家は? 田んぼは? そして、見学は?
実は、このタイミングで翌朝から静岡行きを予定していたのでした。
あるお宅へ・・・いや、オタクへお邪魔するために。
≪自然農法技術交流会≫
今回の見学は、富士酢の原料米を作る農家さん達も同行し賑やかな旅です。
天候の方も予想に反して道中は終始 穏やかで助かりました。どうやら早朝に日本海へ抜けたようです。
なんとか無事に会場へ到着。
≪講師 松下明弘さん≫
静岡の藤枝市で有機米を栽培されておられます。著書「ロジカルな田んぼ」の反響がすごく、他府県からも講演依頼や農業指導が殺到しています。
私もこの本を熟読した1人。ご本人が今に至る経緯や取り巻く方々との関わり、課題となる雑草への視点、肥料作りの話しなどが具体的に書かれており、米作りに携わる者なら至高の一冊。
≪圃場見学≫
松下さんの圃場面積は約10haで、酒米の山田錦や耐暑性の高いにこまるなど6品種、また亀の尾や竹成、愛国、関取、神力などといった聞き慣れない古きものも栽培され、アンチ・コシヒカリの可能性ある品種の研究も。
あと赤や黒、黄、白といった色彩豊かな古代種や珍しい品種も趣味として作る、まさに正真正銘の稲オタクです。
≪カミアカリ≫
そして見学の目玉となる田んぼへ。
平成10年に松下さん自身がコシヒカリの田んぼから突然変異体を発見し、数年かけ純系選抜という手法で固定し、農水省へ品種登録を行い、平成20年に認定された稲です。
もうここまでくれば、ほぼ神の領域です。
特徴は胚芽が通常の3〜4倍あること。精米すると胚芽部分の栄養価も削られてしまうため「玄米食専用」のお米です。
さすがにこの稲には皆食いつきました。
≪害虫…ここでは益虫?≫
畦側の稲や用水路で目につく物体は?
この鮮やかさと毒々しさの正体はジャンボタニシの卵。
専門家曰く、天敵から身を守るための警戒色らしいです。
本来、食用目的で日本に入ってきた生物。今や水田では稲を食害する厄介者。
以前は松下さんも見つけ次第叩きつけ駆除されてたようですが、適度の数なら除草の手助けになると・・・適度の数ってどれくらいだろう?これも感覚的なことだろう。
≪行きつけの居酒屋で夕食≫
講義を終えた後も、お疲れのところ我々にお付き合いくださりました。
イメージ通りの明るく気さくな方で、地酒片手に稲作話しは尽きません。
松下さんの酒米も全て地元の酒蔵へおろされ、期間限定で「純米大吟醸松下米40」「純米吟醸松下米50」 といった、これぞ日本酒テロワール!も造られ販売されております(数字は精米歩合)
これには、さすがにご本人も責任の重さを感じられたよう「俺がこけたらみんなこけちゃうから!」と。
また逆に「まぁ〜、嬉しさ半分、プレッシャー半分かな」とプロ農家としての使命感も。
今回、本や話の内容は 「化学肥料や農薬という魔法の資材が長年使われ続け 当たり前の存在となり、日本の農家から思考力をうばってしまった」
そういった慣行栽培での常識に疑問を抱くようになったきっかけ、また具体的には 除草から抑草への発想転換、適した反収と肥料計算、米の食味と風味について、昔の有機との違いなどなど。
まだまだロジカルでディープな話しもありますが 今回は省略を!
農業も環境や土質などによってやり方は千差万別。いかにその土地柄と向き合って作るか。
松下さんの有機農業の定義は「自然の摂理に逆らわないこと。様々な生き物の有機的つながりをこわさないよう、人も自然の循環の中で動くこと」
高めていきたい観察力&洞察力、日々精進です。
松下さん、長坂さんお忙しいところ本当にありがとうございました。
米作り担当 伊藤
コメント