「蔵人頭って何してるんですか?」
名刺を交換させていただくと、結構な確率でこう聞かれます。

担当は大きく分けて二つ。
米作り、酒造り、酢造り、最終工程の担当者と相談しながら、スケジューリングする「現場監督」が一つ。

そして、もう一つが「伝える」仕事。
営業という言葉を使わないのは、商品を売り込むのではなく、飽くまで飯尾醸造のもの造りの姿勢や、取り組みを知っていただくことを主眼としているからです。
中でも「酢のセミナー」は富士酢製品をご利用いただいている方と、直接コミュニケーションが図れる貴重な機会です。
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岡山県和気駅前にあるENTER WAKEの和菜食堂では、伝えること以上に学ばせてもらいました。
移転した旧中国銀行を商工会がリノベーションした建物は、新築には出せない重みがあり、それ自体の魅力に加えて、運営者たちがとってもユニーク。
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 和菜食堂さんの営業は月〜水の日中だけと、通常の飲食店では最も休業が多い曜日のみ。地元の元気な主婦仲間が、家業・家事と無理なく切り盛りする苦肉の策だったのですが、それでも自然食弁当はほぼ毎日売り切れ状態。酢のセミナーの集客でも、行事と重なり子育て層(SNS世代)の参加率が低いと見るや、すぐに情報量の多い手書きのチラシをより上の世代に配布して、1週間足らずで40名の方の申し込みを受けました。
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食堂が終わると、授業料無料の「公営塾」が始まります。
インバウンドを見越し小中学生の英語教育を担うのは、主に地元の大学生。
とはいえ町内に大学はありません。彼らが街の学校近くに引っ越さない理由は、和気町が独自に通学(通勤)手当を支給しているから。この仕組、少ない額で誰もが得する、とても上手なお金の使い方だと思いませんか。和気(郡)は日本最古の庶民の学校=閑谷学校ができた場所。現代においても、その精神は受け継がれていると気づかされました。



「酢のセミナー」は20名以上の参加者と、有料(主にお土産や食材費、主催者の経費にあてています)という条件がございますが、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。


                                 蔵人頭 秋山