時々、自然栽培&自然農法(以下、自然農法と記載)でお米を作りたい!っていう声を耳にします。
しかしそこに至るまでには、かなり高いハードルがいくつかあります。
まず、近隣に慣行農法をされる方々がいるなら相互理解を深めることが必須となります。

慣行農法とは?

慣行農法=農薬や化学肥料を使う ✖️
慣行農法=大多数の人達がやっている ◯

農薬や殺虫剤、殺菌剤、化学肥料がない明治以前とかは『自然農法とか有機農法』が慣行農法と言われるもの。
今現在、日本の食と胃袋を支えている多くは農薬や化学肥料を使った作物…これが慣行農法です。
圧倒的に農薬化学肥料などを使った圃場が多い中、自然農法を行う農家はホンマに少数派。
有機農法の割合は0.5%、さらに自然農法となると、たったの0.01%以下らしいです。

そんな中、『俺っ、自然始めるから!』ってなると、慣行農家から変わり者扱いにされるかもですね。
最初にしっかり周りの理解を得ないとトラブルのもとになります… 例えば、農薬が混ざった水が流れてきたり、ドローンによる空中散布など。
なので、そういった影響がない環境下で行わないとダメってことです。

それと田んぼを自然農法に適した土壌に変えるノウハウを辛抱強く身につけること。
例えば、前の年まで慣行農法だった圃場を転換する場合、自然初年度2年目ぐらいは『予想してたより超楽チンなんですけどぉ〜✌️自然楽勝〜っ!』って思ってても、3〜4年目ぐらいから一気に病害虫や雑草が出てきてお手上げ状態になる😵‍💫って話しを聞きます。
それは残留していた農薬や化学肥料が土壌から完全に無くなったから(自然農もどき)
この『3年目の壁』を乗り越えるには、最初の2年までにどれだけ土作りに励むかが運命の分かれ道となります。
自然農法は米を作るのではなく、まず田んぼを生き物?に変えることが必須。その副産物が米という考え方でやらないと心が折れますし失敗します…たぶん。

あと、自然の知識が必要です。自然に寄り添う農業なので、寄り添うには相手のことを知らないと寄り添えないということ。
例えば、畦や周りに生える草はどんなものか?植物の知識。あと飛んでくる虫、この虫は植物をかじるのか?卵を産むのか?などの昆虫学。
それと雲がこっちに出たら雨が降るのか?太陽がこの角度から照射していたらこの時期ではどうなのか?などの気象学も知ることが大切だと思います…あっ〜大変。
自然相手を生業する者には、こういった知識を行動に活かし経験を積んで知恵に変える!
やっぱり、自然=放ったらかし…ではないってことですね。

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《富士酢の米を作る棚田〜 冬の様子》

でも、そんな大変な自然農法をしたいって方々が、飯尾醸造の契約圃場に来られます。

https://about.gentenkaiki.jp

《原点回帰》

全国11ヵ所の畑で農業…すごい!
その地でしか採れないもの、作れないもの、味わえないものがあるのですね。

ゆくゆくは江戸時代の農地改革よりもっと前の縄文後期や弥生初期のような自然ありきの農業。
種を蒔いて、そこで出来たものを食べて、当時はお米が主食じゃなかった時代…いろんな木の実とか貝とか魚とか、こういった雑多の食料の中の一つがお米。
主食という概念は弥生中期以降で、それまではいろんなものを食べてた頃。
そんな時代の農業に原点回帰させるってこと?かな。

https://creators.yahoo.co.jp/akiyoshikenta/0100374315

近い将来には、自然農法を提唱された福岡正信さんの、福 (happy) 岡 (hill) ハッピーヒルのような、山田孝之さんの山 (Mountain) 田 (field) マウンテンフィールドという新品種がこの棚田から誕生するかもです(笑)

非常に楽しみ!


             米作り担当 伊藤