お世話になっております。
蔵人の三原です。

酒蔵では年明けから、純米富士酢の原料となる純米醪の製造が始まっております。
昨年の途中から泊まり込みをやめておりまして、今年は最初から泊まりなしで仕事しています。

やはり家に帰れるとリラックスできる気がいたします。
リラックスタイムにすることといえば、お酒を飲んだり、映画を見たり、寝っ転がってダラダラしたり。
あと読書ですね。

最近読んだ本はこちら。

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司馬遼太郎著『関ヶ原』
秀吉の死の直前から、関ヶ原の戦いの決着までを描いた大作です。
司馬遼太郎は『坂の上の雲』と短編くらいしか読んだことがなかったので、開拓したくなって手を出しました。

石田三成と徳川家康の対立を軸として書いているのですが、いやあ家康ってわっるい奴ですねえ。
家康好きな方すみません。
この作品では敵役なので、悪印象をもつのも仕方ないのです。
史実を元にしているとはいえ小説なので、全てを鵜呑みにはできませんが、家康による豊臣諸侯の切り崩しのえげつないこと。
対する三成はその辺りが無防備すぎ、負けるべくして負けた感がいたします。
ある種スパイ小説としても楽しめる諜報合戦がなかなか面白いですね。

全体的に三成はじめ西軍に同情的な作品でした。
三成にもう少し人望があれば…あるいは今少し現実主義者であれば、西軍が勝っていたかもしれませんね。
まあ西軍が勝っていた場合、群雄割拠の戦国時代に逆戻りしたかもしれず、どっちが良いとかは分かりませんが。

個人的ハイライトは大谷吉継の戦ぶり。
敗北を予見しながらの奮戦は切なくなりますね。
この人かっちょいいと思います。

しかし家康はあれだけ事前工作頑張ったのに、実際戦ってみると西軍の方が押し気味だったというのが不思議です。

司馬遼太郎の文章は淡々としているようで、熱さを感じさせるのがとても好きです。
他の作品ももっと読みたいですね。

蔵人 三原