こんにちは、昨年11月に入社した販売部の竹田です。
1か月ほど前から、周りの社員に黙っていたことがあります。

それは、「新ショウガ」という存在を知らなかったことです。
ましてや、お寿司についてくるあの「ガリ」が、新ショウガから作られることも知りませんでした。

飯尾醸造では、約1か月前から夏季限定で3つの商品を販売しています。
通常360mlのすし酢・ピクル酢を、900mlと大容量サイズにした「すし酢でらっきょう」と「ビッグル酢」。
そして、通常サイズで通常のラベルに手書きで文字が加えられた、ひとりだけ際立って特別感がある「ガリ酢」です。
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「『すし酢』」が実はガリと相性が合うとわかるように、この時期限定でラベルを手書きしている」とのこと。
「ほぉぉあのガリが家で作れるんですな・・・」と思い、ホームページに載っているレシピを見たところ、いろいろ疑問が湧いてきました。
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簡単!すし酢でガリ(新生姜の甘酢漬け)【レシピページ】

「新ショウガってショウガと違うん?」
「何でガリって言うんやろ」
「レシピに『新ショウガ300gに対しすし酢15ml』って書かれているけれど、その量のすし酢で足りるんやろうか・・・」
(→後日談:Webサイト上の誤りで正しくは「150ml」でした。)
「そもそも家でガリを作ったら、何がいいんやろう」


誰かに聞いてみよう!と思ったものの、いままで知ったような顔をしていたのに今更感満載になりそう。
ということで、初めてスーパーで新ショウガを買い、ひとつずつ調査、検証をしてみました。

●新ショウガとショウガの違い
調べたところ、「新ショウガ=ショウガ」でした。同じ植物だったんですね。
採れる時期が早く春頃に出回るのが「新ショウガ」、秋頃に収穫されるのが「ショウガ」だそうです。
早く収穫されたとうもろこしが「ヤングコーン」と呼ばれるのと似ている気がしました。

●「ガリ」の由来
諸説ありそうですが、インターネット上でよく見られたのは「食べるときに『ガリガリ』と音がするから」という理由。
音の響きからして、比較的最近の言葉のように思えます。
実際に、江戸時代にはまだ「新生姜の酢漬け」と呼ばれていたという記述も残っているそうです。

最初はひらがなで「がりがりと食す」などと表現されていて、カナが入ったあたりで「ガリガリ」と書かれるようになったのかなぁ、などと妄想が膨らみます。

●新ショウガ300gに対して「すし酢」は15mlで足りる?
15mlというと、皆さんご存知の通り大さじ1杯分です。
ちなみに新ショウガ300gは、このくらいあります。

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「本当に浸かるのかな・・・」と思いつつ、レシピ通りに作ってみました。
せっかくなので時間も測ってみます。
よーいドン。

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まずは、新生姜をゆでるためのお湯を沸かしはじめます。
その間に、新生姜を薄く切ります。

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(結構分厚くなりました)

全部切れたら、沸騰したお湯のなかに入れて1分ゆで、ザルに上げます。

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後は食品保存用袋に、茹でた新生姜とすし酢を入れて浸けるだけです。
ここまで、約10分でできました。
ちなみに、百均で買った一番小さなサイズの食品保存用袋にすべて入りました。

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そして3日間置くと、このように桜色に染まります。

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食べてみると、ちょっと辛い!
でもほんのり甘くてしっかり浸かっていました。
結論、「すし酢」は15mlで足りそうです。

・・・んなわけがなかったのです!
大変申し訳ありません。
以前旧Webサイト上に掲載していたレシピを、新Webサイトに移行した際に「150ml」のところを誤って「15ml」としてしまっておりました。(現在修正済みです)
15mlでもしんなりして漬かってはいるのですが、ガリらしいあの甘味を出すには、やはり150mlほど必要そうです。

そしてしっかりめに辛みを抜きたい方は、新生姜を長めに茹でてしっかり辛みを抜いてみてくださいね。


●家でガリを作ると何がいいのか
今回作ってみたうえでの、一番の発見は「ガリのピンク色は、新ショウガ由来だった」ということ。
新ショウガの先っぽのピンク色が、お酢に溶けるんだそうです。
いままで、何で色がついているのか考えたことがありませんでした。

身の回りの食べ物で着色料が普通に使われていることが多いので、鮮やかな色やきれいな色がついている食品を、見るとつい「人工的に着色されているのかな」と考えがちでした。
しかし自然の素材にも、シソや藍のようにしっかり色が付く植物がそういえばあったなぁと、改めて思い直すきっかけになりました。
(ちなみに紅しょうがも、新生姜をシソに漬けたものだと今日初めて知りました)

飯尾醸造に入社し、自分でイチから料理を作ることが増え、今回のような気づきを得ることが多くなったように思います。
日々そんな、小さな気づきを得られるのが、なんだか嬉しいのです。

家で作ったガリは、これからお肉や魚料理に添えてみたり、豚肉のショウガ焼きなどにも使ってみようと思います。