≪醪造りの工程その9≫ 蒸し米を投入した3時間ほど経過すると蒸し米が水分を吸収して膨らんできます。そこで、円筒を酒母(酛)タンクの中心に設置します。そして、自動汲掛け機をセット。 これは、筒の中に溜まる糖化酵素を含んだ液体をポンプで汲み上
醪(モロミ)を醸す
世界に誇る日本酒醸造の神秘が明らかに ―酒母の仕込み―
≪醪造りの工程その8≫ 2時間ほど前につくった水麹から糖化酵素が溶出してきたところで蒸し米を放り込みます。これで、スターターである酒母(酛)の準備OK。 ここで、1月19日のブログに書いた下記の日本酒の特徴について説明します。 1)日本酒は
他の酒蔵では絶対やらない水麹造り
≪醪造りの工程その7≫ 酒母(しゅぼ)造り。酒母は酛(もと)とも呼びます。わかりやすく言うと、発酵のスターター。以前にもこの例えを使ったのですが、カスピ海ヨーグルトの種と同じ。友達から分けてもらったヨーグルトの種に牛乳を加えてやると、乳酸発
45時間を経て、麹ができあがりました
≪醪造りの工程その6≫ 麹造りは温度と湿度を定時的に管理し、麹菌に気持ちよく繁殖してもらうことが大事! 具合を都度見てやりながら、目や鼻、手の感触なんかで判断します。そして、麹室への引き込みから約45時間かけて麹菌を繁殖させてから麹を取り出し
麹の状態は五感で判断
≪醪造りの工程その5≫ 幾重にも被せた布の中で保温された蒸し米は外側から順番に湿気が飛んで、かなり固くなります。また中心に比べ、外側の温度は若干低いため、温度を均一にする目的としても、「切り返し」そして「仲仕事」という作業に入ります。 こ
麹造りは職人の技とカン、そして情熱!
≪醪造りの工程その4≫ 原料処理を終え、いよいよ製麹(麹造りのこと)へ。酒造用語として昔から使われている言葉に、「一麹・二酛・三造り」があります。読んで字の如く、「酒造りで最も重要なのが麹、二番目に酛(酒母)…」という意味です。 醪(もろ
外硬内軟を目指して ―蒸し・放冷―
≪醪造りの工程その3≫ 洗米後、十分に水を吸わせた米を蒸していきます。これは、熱を加えることで米のデンプンをα(アルファ)化することが目的です。では、α化とはなんぞや、というと、「米のデンプンを麹菌が糖化しやすい状態にする」ことです。言い換
原料処理はベテランにお任せ ―洗米・浸漬・水切り―
≪醪造りの工程その2≫ 時間もかけて精米した米は摩擦熱により水分が失われています。よって、「枯らし」と呼ばれる、水分を補う期間が必要となります。といっても水を米に散布するわけではなく、精米後2週間ほど放置することで、自然に失われた水分は戻っ
これも自分とこでやってます ―精米―
≪醪造りの工程≫ ざっくりと醪の醸造工程を図にしてみました。ホンマはこんなにワンウェイではなく、途中で麹と掛米(蒸し米)と水と足したり…、と複雑になるのですが、まずは大雑把に、4つの工程に単純化しています。 そして、今回は精米について。現
醪(もろみ)造りの様子を公開していきます
≪酒蔵の様子≫ 伊勢丹新宿店での催事も無事終わりましたので、酒蔵での純米酒造りの様子を少しずつ紹介していきます。酢の原料となるお酒は、正確には「酢もと醪(もろみ)」と呼びます。ただ、このブログでは「醪(もろみ)」という言葉を使います。
新麹室が完成!
ついに全面杉板張りの麹室が完成しました。 部屋へ入ると杉の香りがとても心地良いです。 日本酒造りには「一麹・二酛・三造り」という言葉があるほど、麹は大変重要な役割を果たします。酢になるずーっと前の段階ですが、既にここから富
麹室の改修工事 2
酒造業界でも木造の麹室を利用されている蔵元は耐久年数によるコストの面から年々減少しています。 ただし、木の持つ調湿作用などいろいろな面で麹造りには一番適しています。 需要がないので当然のことながら麹室を作る専門の職人さんも年々減少し、 工
梨醪仕込み
久美浜の梨はとても大きくジューシーで、口に入れると果汁が溢れだします。 今日は気温も低く寒いので、味見もそこそこに・・・ まずは梨に付いた汚れを1つ1つ丁寧に手洗いします。 そして粉砕 大きい果実でも粉砕できるようメーカーに特注で製作して
梨が入荷しました
≪久美浜産の梨≫ いよいよ明日、品薄の梨酢の仕込みが始まります。 そのために、京都府北部の久美浜町で収穫された梨が蔵に届きました。 今回の仕込みは1.2トン。 ここ数日は最高気温が12・3度と、かなり寒くなってきました。日本酒
麹室の改修工事
麹室の老朽化に伴い改修工事をすることになりました。 昨日から業者が入り、資材も搬入されました。 まずは解体作業から始まり、2週間後には全面杉板張りの素敵な麹室になります。
ぶどうの醪つくり その2
仕込開始から1週間が経ち予定通りアルコール発酵を終えましたので、ぶどう醪を搾りました。 仕込み初日とは醪表面の様子も随分と変わっています。 ぶどうの糖分がしっかりとアルコールに分解されたため、液に粘りがなくなっており、色・香りも充分に醪に
ぶどうの醪つくり
秋は収穫の季節です。 飯尾醸造では生の果実からお酢を造っておりますので、毎年この時期は数種類もの醪仕込が重なり大忙しです。しかも気候等により入荷時期が常に変動しますので、醸造部ではいつも頭を悩ませています。 さて、今年は糖度が高く大変良いぶどうが出来
りんごの醪つくり その2 ―搾り―
≪発酵を終えたりんご醪の様子≫ 9月26日に仕込んだ無農薬・無肥料のりんご醪(モロミ)が出来上がりました。 早速「搾り」の作業に移ります。 ちなみに他のメーカーの果実酢・フルーツビネガーは濃縮還元果汁をドラム缶で輸入し、水で薄めて使うので、
蔵にお米が入荷しました!
昨日、地元上宮津地区で収穫された今年の新米が届きました。 酒造りに使用するお米は毎年約2,000袋入荷されるのですが 地区別に数回に分けて入荷されますので今回は250袋程でした。 飯尾醸造では契約農家の方すべてに無農薬でお米を作って頂いています
りんごの醪つくり
今年の6月28日にこのブログで紹介させていただきました、木村さんの無農薬りんごが先日蔵へ届き、早速仕込みを開始いたしました。 農作物の中でも無農薬栽培は不可能といわれている、大変貴重なそのりんごを使ってお酢を造るわけですから失敗は絶対に許されません。 さて
期待と不安のアルコール発酵
昨日仕込んだ無花果(いちじく)醪が気になります。 仕込み部屋は相変わらず無花果のフレッシュな香りが充満。この香りを嗅ぐと、「なんで昨日もっと食べへんかったんやろ」と後悔しますが…。 特に今は暑いですので、アルコール発酵中に雑菌によって汚
無花果(イチジク)酢の仕込み、始まる!
今日からいよいよ無花果酢の仕込みが始まりました。 まずはトラックで2時間半かけて京都・城陽市にある「JA京都やましろ」に京都産の完熟無花果(いちじく)をとりに行ってきました。農薬を極力使わないことをお願いして、何年も前から農家の方々に作っていた
もうひとつの蔵
飯尾醸造には酢を造る蔵の他に、蔵がもうひとつあります。 車で10分ほどのこの蔵では純米酒が造られます。 といいましても、その純米酒は全て酢の原料になるため、一般のお酒のように陽の目を見ることはありません。 酢になる、そのためだけに生まれてくる